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レンズ

綺麗な景色を見たときには、出来る限り撮るようにしているけれど、上手に撮れるのは10回に1回くらいだ。

それは単に私の腕がないせい。
比較的、朝焼けや夕焼けは綺麗に撮れる。
でも、夜景はいつも駄作。

なぜ、自分の眼で見えている景色を、そのまま写し撮れないのだろう。

私が見ている景色と、他のひとが見ている景色も、同じようで少しずつ違う。
何もかもすべて分り合うことや、感じたことを分かち合えることはできないから。

感情や想いを、そのままデータにして送れたら良いのに。
ITの世界にいて、アナログでしかできないことの大事さをわかっているのに、時々そんな風に思う。
うまく言葉にして伝えられないことを、もどかしく思うとき。

今年もまた、殆ど人と会わないうちに過ぎた。
一年が過ぎたように思えなくて、数ヶ月しか経っていない感覚のまま、いつもどおりお節を作った。

あまりにも早く日々が過ぎように感じるのは、年齢を重ねたせいなのか、この状況下にいるからなのか判然としないけれど、こんなふうに歳を重ねるのはもう嫌だな、と散らついてきた粉雪を見ながら思った。

胸のつかえは全部今年に置き去りにして、早く新しい年を迎えたい。
来年は必ず、時の流れの感覚を元に戻せる、と信じて。

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