見出し画像

アップデート

色々な喧騒が収まって、連休中は穏やかな日々だった。

といっても、ちょこちょこPCを開いては、急ぎの仕事を片付けてはいたけれど。
これはもう性分だから、仕方がない。

娘の通っていたアフタースクールが無期限閉所となって、生活が一変した。
放課後の預け先が無くなることをどうにか避けようとしたけれど、アフタースクール系は英語のところが殆ど。
体験入学で一言も発せず教室の隅っこで途方に暮れた顔をしていた娘を、たった1年とはいえ通わせるのは酷だった。

周りはみんな、そんな恵まれた環境に幼少期に置いておけるチャンスを!と勿体ないと言ったけれど、英語にかなりのコンプレックスがある私も、いつも天真爛漫な娘の笑顔を失くしてまで英語を身に付けさせようとは思わなかった。

タイミング良くニュースで流れてきたAI翻訳の進化に、あと10年もしたら英語なんて必要無くなるかもね、と思ったりもした。(これは後で別に書こうと思うけれど、簡単に言うと仮想空間に入れば母国語同士で喋っても、即座に自分の耳に母国語で同通されて入ってくるというシステムが実用化されたという話)

娘は英語が嫌いな訳ではなく、幼稚園でも今までのアフタースクールでも簡単な会話は出来ていたし、気が向けばBTSの歌を恐ろしく綺麗な発音で歌っていたりする。
それなのに、無理に英語環境を充実させて却ってアレルギーを起こしたら元も子もない。

1ヶ月以上もあれこれ悩んだけれど、とにかく今は午後の早い時間に娘は帰宅してきて、私が仕事をしている傍で大人しく絵を描いたり、PCを見ている。
ミーティングが続くと厳しいけれど、それなりに回っていて問題ないし、夕方は割り切って夜に仕事を回している。

夫が仕事柄、出社回数が増えて、私がワンオペになりがちだけれど、それはいずれバランスを取らせて貰うつもり。

ちなみに昨年の休校期間中、時間を持て余す子どもたちに、ローマ字入力表とフリーのタイピングアプリをダウンロードした古いMacBook Airを与えたところ、ブラインドタッチとまでは行かないけれどキーボード入力が出来るようになった。
興味のあるものを調べたり、子ども向けの動画を見たり、PCはもはやおもちゃ。
恐るべしデジタルネイティブ。


私の父に続いて、先月は義父が手術を受けた。
ちょっと危ない(かもしれない)と言われた手術だったけれど、難なくクリアして入院予定を1週間も繰り上げ、手術翌日に退院となった。
今どきの腹腔鏡手術は凄いと思うのと同時に、喜寿を迎えたばかりの義父の恐るべき体力に脱帽。

何せ“危ない“の理由も、以前盲腸の手術で麻酔が切れ(義父は身体が大きいので、量が足りなかったらしい)、術中に目が覚めて『痛い!』と暴れた前科が…という理由で、何だか全て斜め上を行っている。
そこが義父らしいといえば、義父らしいのだけれど。


そして私は、今月から正社員となった。

契約社員から正社員になるという例が今まであまりにも少なかったらしく(今も片手で数えるほどしか契約社員はいない)、今の仕事でそのままシステムを切り替えれば良いのかと暢気に構えていたら、実はがっちり面接を受けなければならなかった。
フェアといえばフェア。
アドバンテージがある反面、出来ないと判断されればポジションを明け渡す事になる。

しかも面接は複数回、ほぼ英語…何を聞かれるのか、何を話せば良いのか、さっぱり分からない。
なまじ、今の仕事を普通に毎日回しているから、却って改めて話すことが見当たらなくて、困った。
加えて、契約社員という立場で控えめに立ち回っていたことが逆に仇になり、海外のカウンターパートからは“発言が足りない“とか割と辛辣なフィードバックを貰って、かなり落ち込んだ。

このままだと契約満了で退社かな…と、咲いては散りゆく桜を見ながら心許ない日々を過ごすこと数週間。
救いの手は、身近なところから差し伸べられた。
日本の同僚たち。
もの凄く好意的なフィードバックが沢山寄せられ、あんなに停滞していたのが嘘のようにスルスルと採用が決まり、あっという間にオファーレターまで辿り着いた。

万人から認められるということは、きっと無い。
それでも、きちんと見ていてくれる人たちがいるということが、今の私を支えてくれている。
やっぱり、相変わらず足りない部分は沢山あるけれど(特に英語力!)。

キャリアの再構築を始めて、間もなく3年目。
また新しいスタートラインに立てたことを、ここに立たせてくれた周りに感謝して、真摯に仕事に取り組もうと思う。

色んなことが目まぐるしく変わったこの春。
初夏を迎えてようやく落ち着いてきた。
でも、いつまでも同じ場所にはいられないから。
またアップデートを繰り返して、走り続ける。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?