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初夏にはクリアな白が似合う

いちばん好きな季節は初夏かもしれない。陽射しはきらきらと眩しいけれどまだ穏やかで、暑さもそれほどでもない。日が長いから、明るい夕方を味わえる。

初夏特有の涼しくて青っぽい夕方には、ちょっとスーパーへ行くだけでも素敵な散歩になる。初夏の夕方に家中の窓を開け放って風を通し、そよ風を感じながら読書をするのも好きだ。

そしてもしかすると個人的な感覚かもしれないのだが、初夏にはクリアな白が似合う、と思う。


お気に入りの半袖のTシャツを今年初めて着てみた。オフホワイトで、袖が短くタイトな作りの。私はラフな服装が悲しいほど似合わないためTシャツはほとんど持っていなかったのだが、きれいめに着られるこのTシャツだけは例外的に気に入っている。ユニクロで買ったプチプラのものだけど。

夏に向けてシーツも新調した。綿100%の真っ白なものを選んだ。さらさら、ひんやりしていて心地がいい。

食器類を衣替えするのにも実は憧れている。しまう場所もお皿をたくさん買う予算もないので、今はできないけれど。食器の衣替えのアイデアは、モデルの雅姫さんの本を読んで知った。春夏は温かみのあるデザインの器をしまい込んで、白っぽいものやガラスのものを出すそう。写真の中の食器棚は、季節感が出ていてとても素敵だった。

たしかこの本だったと思う。


「初夏は白」のイメージがどこから来たのかわからないけど、小学生のころに意味もわからず暗記した和歌が案外始まりだったりするのかもしれない。

春すぎて夏にけらし白妙の衣ほすてふあまの香具山

生命力に溢れた青々とした夏の山を背景に、真っ白な衣がはためくさまが目に浮かぶよう。色のコントラストが美しい一首だ。

謎の呪文だと思って丸暗記していた百人一首が、成長するにつれてゆっくりと自動的に心の中にイメージを生み出してきているような感じがある。

この本や大河ドラマ『光る君へ』のおかげで、最近また百人一首に興味が出てきた


ところで、以前フィンランド語のテキストのダイアログを読んでいたときに、印象的な例文に出会った。

Suomessa kesä on todella kaunis.
(フィンランドでは夏はとても美しい)

テキストの中の登場人物たちはそのあと、フィンランドの美しい夏を楽しむために、庭にコーヒーを飲みに行った。

それからというもの、"Suomessa kesä on todella kaunis"という新しい呪文が私の頭にインプットされて、ゆっくりとイメージを作り上げつつある。



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