代役②【連載台本・世にもになるまで書いてみた・54作目】
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○ 稽古場
翌日。
発声練習を終え、個人練習中の一行。
そこに主人公がやってくる。
主 うっす。じゃあ稽古始めんぞ・・・って、誰だお前。
主人公 1人見知らぬ女性を見つける。
? はじめまして! Aの代役の【フルネーム】って言います!
主 はぁ? 部外者は立入禁止だ。帰れ。
? 部外者じゃないです! ちゃんとAから頼まれてきたんですから!
女性 スマホを見せる。画面にはAとのやり取り。
主人公 スマホを奪い、やり取りを確認する。
主 (助演出に)お前は知ってたのか?
助 ・・・・・・はい。
主 ・・・あっそ。じゃよろしく。
? は~い! 今日からよろしくお願いしま~す!
謎の女性 一員となり、とても嬉しそうな様子。
BとCもなぜか嬉しそう。
以下、謎の女性をaと表記。
○ 居酒屋
主人公と助演出がサシで飲んでいる。
この日の稽古の反省会(と言う名の愚痴大会)
主人公 かなり酔っ払っている。
一方、助演出はほとんど酒が減っていない。聞き手に徹している。
主 アイツの演技良かったなぁ!
助 ・・・高校時代、演劇部だったみたいで。
主 あーそう。最初っから任せとけばよかったよ! ガハハ!
主人公 大笑いしてビールを飲み干す。
主 おい。お替わり。
助 ・・・はい。
助演出 主人公のジョッキに、瓶ビールを注ぐ。
主人公 礼も言わずに再び飲んでいく。
主 あ~ うめ~
助 ・・・・・・先輩。今日はBさんに当たり強くなかったです?
主 そうか? あれくらい普通だろ。
だいたいな、今の役者は弱すぎるんだよ!
「演出家に暴言吐かれて一人前」。
これが常識ってもんだよ。な?そうだろ?
助 ・・・はぁ。
主 だから俺は常々言ってるだろ?「代わりなんていくらでもいる」って。
弱き者はこの世界を去るべき! これに尽きるよ。
助 ・・・そうっすね。
主 俺が役者の時なんて酷かったぞ? あれは確か初舞台の時・・・
助演出 主人公の自慢話を黙って聞く。
主人公 話が止まらない。
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