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火っ越し②【連載台本・世にもになるまで書いてみた・60作目】

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※ この物語はフィクションです。
  絶対にマネしないで下さい。

○ 採石場

 広い採石場。
 A・B 荷物を全て並べ終わり、一息つく。
 B 暑さも相まってスポーツドリンクを半分近く飲む。

A おい。あんま飲み過ぎんなよ。こっからもっと暑くなんだから。
B ・・・すみません。
A じゃあとっとと片付けちまうか。
  この量ならそうだな・・・  2つありゃ十分か。

 A 「何か」を取り出すために荷台に戻る。
 B 彼女の荷物をボーッと見つめる。

A (声だけ)おーい お前も運ぶの手伝えー
B ・・・はい。

 5分後。
 A・Bの手には赤い灯油タンクが。
 服装も消防服に防炎マスクと完全装備。

A よし始めようか。
  やり方は前教えたしわかるよな?
B ・・・はい。
A じゃお前はダンボール中心に頼むわ。
  俺は家電類やっとくから。

 A Bの肩をポンと叩き、家電の方へ向かう。

 A 灯油タンクを手にしたまま、ダンボールの前で立ちすくむ。
 B Aに駆け寄ってくる。

B おいどうした。全然進んでいないじゃないか。怖じ気づいてんのか?
A ・・・すみません。やっぱり罪悪感が。
B (笑って)罪悪感? バカ言え。
  燃やさなきゃお客に届かねぇだろう。
A ・・・でも俺こんな引っ越し初めてで。
B いいから! とにかく満遍なく撒けよー
A ・・・はい。

 A 渋々ながらダンボールに灯油を撒いていく。

 10分後。全ての荷物に灯油を撒き終わる。
 A・B トラック近くまで移動している。

A よし。じゃあ火付けて終わりだな。どうする?お前がやるか?
B ・・・・・・先輩、お願いします。
A ・・・次はお前やれよ?
B ・・・すみません。

 A ライターに火を付け、荷物に投げ入れる。
 瞬く間に火が点き、すぐに大きな炎となる。

A しかし社長もよく考えるよな。
B ・・・そうっすね。ちゃんと届くんですかね。
A そりゃお前・・・ 確認するのはまだ先だろ。
B まぁそうっすけど・・・

 A・B 燃えていく荷物をただただ眺め続ける。


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