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高齢者が介護を必要としなくて済むようなサービスをつくります。

日本は周知の通り世界一の高齢社会です。高齢者の人口は3640万人に達し、その高齢化率は29.1%(2021年現在)に及びます。このような社会において、円滑な社会システムが運営できていれば良いですが、そうではないのが現状です。

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中でも、高齢者が必要とする介護は若年者に物理的・精神的に多大なコストを消費させています。
実際に多くの高齢者が介護を必要としており、65歳以上の18.3%(645.3万人)が介護保険制度により要支援または要介護に認定されています。そして、介護の費用として一人につき約500万円が必要であるとされています。また、年間約10万人が介護等を理由として離職しているとされます。

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(出典:https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/pdf/1s2s_02.pdf)
このような問題を解決するためには、健康寿命の延伸が重要です。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことであり、すなわち高齢者が他者の手助けなしに生活する期間が長くなるほど個人や社会が消費すべきコストは少なくなるといえるのです。

では、具体的には何をすべきでしょう。ここで提案したいのが「転倒予防トレーニング」です。高齢者は筋肉や骨、脳の衰退により、若年者よりも体幹が弱く、常に大きな転倒のリスクを抱えながら生活しています。しかも転倒後の回復も若年者と比較して遅く、仮に一時的にでも寝たきりの状態になれば、2週間で20%もの筋力が衰退するとされています。

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上の図では、定年退職や加齢によって家に引きこもりがちになり、悪循環に陥る高齢者のモデルを示しました。
トレーニングと言うと高齢者には難易度が高そうにも聞こえますが、決してそんなことはなく椅子での着座を前提とした難易度の低いものです。

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(例:椅子を用いたスクワット)

このような転倒予防トレーニングをこのサービスでは、モバイルアプリで提供したいと考えています。UIは以下のような物を想定して作成しており、シンプルなバランストレーニングプログラムに加えて、クイズも同時並行で行えるようにすることで脳トレ要素も組み込みます。これはアメリカの既存アプリをモデルとしており、そのサービスでも転倒予防をコンセプトとしています。

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既存アプリとの違いは、このアプリを通して家族と連絡が取れるようにデザインする点です。

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このアプリではターゲットを50代前後の男女として、以下の条件をもつものとします。
1)70~80代の親をもつ。
2)親とは別居している。
3)親は地方在住である。
高齢者のスマートフォン普及率は上昇していますが、若年者のように日常的な使用はしないため、直接的なマーケティングは難しいと考えられます。そのため、離れて暮らす年老いた親に健康で過ごしてもらいたいと願う子世代にアプローチし、間接的に70~80代の高齢者にリーチするのが適切であろうと考えています。この子から親への「推奨」や親から子への「報告(UIのX-7を参照)」にはLINEが非常に有効であると考えています。LINEはスマートフォンを保有する70代のうち60%以上もの人が利用しているとされます。これを利用し、親子間のコミュニケーションを基にした健康管理サービスを提供したいと考えています。

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で、何するの?

ここまで私の解決したい問題やその解決手段などを記述してきましたが、そもそも本当にこのようなニーズがあるのかは疑問です。私自身には離れて一人暮らしをする80代の祖母がおり、その祖母の生活をスマートフォン一つで向上させることができるのであればそんなに素晴らしいことはないと思っています。しかし、マーケット全体ではどうでしょう。私はわかりません。そこでこのサービスに対するニーズの検証を最低限の手段で行いたいと思います。「リーンスタートアップ」と言うやつです。このサービスの使用をいくつかの要素に分解して検証していこうと思います。

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①サービスがターゲットにリーチする
②ターゲットが価値を感じて使用する(手に取る)
③ターゲットが価値を認識して価値を感じて推奨する
④ターゲットの親である高齢者が価値を認識して使用する
⑤ターゲットの親である高齢者が継続的に使用する
以上の手順を前提に、顕在化していないマーケットが存在していると言う仮説を検証するためにLINEの公式アカウント(LINE for Business)を使用しようと思います。

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のような具合です。クイズ機能などはLINEのMessaging APIを使用することで追加できると考えています。また、この公式アカウントを親子のグループトークに追加することで、子による高齢者のモニタリングも可能になります。


最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1291.html
令和3年版高齢白書
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html
平均寿命と健康寿命|e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-002.html
NHK|中高年のための筋トレ術でサルコペニア・転倒予防
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1360.html
りそな銀行|介護費用の総額はいくら
https://www.resonabank.co.jp/kojin/sonaeru/column/shoukei/column_0004.html
公益財団法人生命保険文化センター|介護離職者はどれくらい
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1099.html
モバイル社会研究所
https://www.moba-ken.jp/project/others/sns20210520.html
Newton|老いの取扱説明書
https://www.amazon.co.jp/%E8%80%81%E3%81%84%E3%81%AE%E5%8F%96%E6%89%B1%E8%AA%AC%E6%98%8E%E6%9B%B8-%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E5%88%A5%E5%86%8A/dp/4315523801/ref=sr_1_73?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=3LZJX2DMOB81&keywords=newton&qid=1645166510&s=books&sprefix=newton%2Cstripbooks%2C205&sr=1-73

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