マガジンのカバー画像

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》

16
太平洋戦争末期、小笠原諸島に位置する大戸島の守備隊基地に不時着した特攻隊員・敷島浩一(演:神木隆之介)が偶然、ゴジラに遭遇したところから始まる映画《ゴジラ-1.0》。『特攻文学論… もっと読む
運営しているクリエイター

#サバイバーズギルト

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第6回|井上義和・坂元希美

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第6回|井上義和・坂元希美

(構成:坂元希美)

⑥焼け跡で出会った他人同士がコミュニティーをつくるには

★ネタバレ注意★
映画《ゴジラ-1.0》のネタバレが含まれていますので、知りたくないという方はこの先、ご遠慮ください。そして、ぜひ映画鑑賞後にまた読みにいらしてください。

子どもを守るためにコミュニティーをつくる他人たち坂元 敷島にとって血の繋がっていない「未来」である明子とは、偶然に出会います。

 典子が東京大空

もっとみる
特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第2回|井上義和・坂元希美

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第2回|井上義和・坂元希美

(構成:坂元希美)

②ゴジラってなんだ? 井上のゴジラ、坂元のゴジラ戦死者への負い目がゴジラを目覚めさせる

井上 僕は、ゴジラ・シリーズを全く観てこなかったんです。『未来の戦死に向き合うためのノート』を書いたとき、戦死にどう向き合うのかを思考し続けてきた大先輩である、批評家の加藤典洋氏のゴジラ論(『さようなら、ゴジラたち―戦後から遠く離れて』岩波書店、2010年)を読んで、これは面白いと興味を

もっとみる