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とことん悲しい気分になりたい時。

何があったわけでもない、でもなんか悲しい気分に浸りたい。

そんな時に聴くクラシックが2曲ある。

1つは、エルガーというイギリスの作曲家のチェロ協奏曲の1楽章。1918年に作曲。

もっとクラシック好きな人からしたら、1楽章だけ聴くなんて邪道かもしれないけど、今日はお許しを(笑)。


エルガーさんと言えば、堂々と明るい行進曲の『威風堂々』が有名。

でもこのチェロ協奏曲の1楽章はとことん暗い。

すごく情熱的なメロディのに、ものすごく暗い。
悲しい。

暗く悲しい要素たっぷりなのは、エルガーさんが病にふせってる時に1楽章の初めの頃メロディを思いついたり、その後第一次世界大戦があったりという背景からかも。

さらに、この曲をたくさん演奏し有名にしたと言われるのがジャクリーヌ・デュ・プレという女性チェリストで。

デュプレさんの人生も悲しい方向へ波瀾万丈なのが、暗さに追い討ちをかける。

幼少からチェロを学び、10才で国際コンクールに出て、16才で正式にデビューし同じ年にこの曲も録音。

21才でピアニスト(現在は世界的な指揮者でもある)のダニエル・バレンボイムと結婚。

華々しい人生だったのが、26才で指先の感覚が鈍くなり、28才頃多発性硬化症と診断されて事実上の引退。

1987年に42才の若さで亡くなっている。

ちなみに、夫のバレンボイムさんはデュ・プレさんが亡くなるより前に現在の奥さまのところへ行ってしまったらしい。

もちろん夫婦の本当の事情なんて知る由もない(先にデュ・プレさんのほうが別の人のもとへといった話もあるらしい…)けれどね。

急に演奏家生命を絶たれたこと、若くして亡くなったことだけでも、どうしても同情するし、肩入れしちゃう。

▼(ソリスト)デュ・プレ×(指揮)バルビローリ×(演奏)ロンドン交響楽団


▼ここでは別の演奏者の公式に公開されてるYouTube動画もご紹介しておきます。


クラシックが好きな理由は、作曲された背景、演奏家の背景もひっくるめて味わえるからだなと改めて思う。

曲自体にストーリーがあるし、作曲家にも演奏家にも他にないエピソードがある。

そうそう、悲しく暗い気分に浸れるもう1曲はブラームスの交響曲第4番の1楽章と4楽章。

(この曲はまた気が向いたら書きますね。)

明るい曲、穏やかな気持ちになれる曲ももちろん好きなんだけど、時々どっぷり悲しみの中にいたくなるんだなぁ。


▼以前書いた、ブラームス4番好き過ぎる記事。

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