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遊びを「忙しい」という人たち

私はとても暇な人間だ。
休みの日はほとんどゲームをしているし、予定といえば病院、歯医者など、生きることに必要なことが殆どで、全然友達とも遊ばない。
そもそも友達がいないのかもしれない。
いや、そんなことはない。



しかし、私もある程度年齢を重ね、不思議に思うことがある。

「忙しい」の内訳だ。


例えば私の「忙しい」を例にあげると、「仕事」で週休1または無、帰る時間が勤務日は終電を超える時間で、おまけに近県への移動が入って、自分のことなど一切できない状況を考える。
病院で検査づくめ、も似たようなイメージだ。
例えば出張で朝8時の飛行機に乗り、飛行中もPCを開いて資料作り、到着したら昼も食べられず資料準備して4時間の打ち合わせに突入、その後資料をまとめ、移動中もまた関係各所にメールをし、20時の飛行機に乗って、自宅到着は23時なども、忙しい日だったな、と感じる。

逆に言うと、移動中に何もすることがないと、めちゃくちゃ暇だと感じる。

そのために、本を読んだり、ゲームをしたりする。(ゲームは大好きだが、大学卒業と同時に全くしていなかった。しかし、精神疾患を持ってしまい、医者に勧められてゲームをしている。)
これは忙しくない。

私にとって、仕事以外に時間を割くのは、完全な自分の意思であり、心は亡くならない。つまり忙しくない。ハッピー。
しかし、忙しい、の内訳が全く違う人がいる。

疑問を抱くようになったのは、メール・ライン社会になってからだ。
「忙しくて返信ができなかった」といわれることがある。
大学生のころ、海外留学中の友人から「ごめ~ん!忙しくて返信できなかった~!」とメッセージが届いたのは私がメールを送ってから3か月後のことだった。

そうかそうか、親友よ、何をしていたんだ?と聞いたところ「パーティーとパーティーとパーティーとバイトとデートとパーティーとパーティー」みたいな内容だった。

そうか、親友、私は1人海外生活を送る君を少し心配していたが、しっかり謳歌しているな、嬉しいよ。と思う反面、「それ忙しいと言わなくないか?」と思っていた。
当時はスマホもないのでメールを打つのはPCと向き合うか、ガラケーをポチポチせねばならず、確かにちょっと面倒だった。しかし、手紙でやり取りするのが当たり前だった時代(海外通話もバカ高かった)に、メールが登場し、非常にやり取りが容易になったにも関わらず、3か月放置プレイというのは、ちょっと心の距離を感じるぞ?と思っていたが、その辺は言及しなかった。
私は彼女が海外生活で幸せであればいいので、メールの返信が遅いことはどうでもよかったのだ。ただ、「忙しい」という言葉に疑問を持っただけだった。もちろん今でもやり取りしている。今はLINEでほぼ毎日のやり取りになったが、たまに1週間ほど返信期間があく。
そして、忙しかったといいつつ、旦那と喧嘩するとすぐLINEしてくる。そのあと文字のタイプがめんどくさいと、長電話をしてくる。

「そういえば「忙しい」って個人によってだいぶ違うなあ」、と再び考えだしたのは、先日とあるファミリーレストランで男女の会話を聞いていたからだ。(常に一人飯をしてるからか、店中に響き渡る声で会話されたら、聞いちゃうよね、すみませんね。)
男性は正直、パッと見、バイトにはすぐ採用されそうだけど、女子には人気無い感じの好青年で恐らく20代前半、女性は優しそうで小奇麗な主婦、恐らく30代前半、といった雰囲気だった。職場でのつながりがあるみたいだった。
会話の内容は以下の通り。月曜の夜の話。
男「前いた、あの女の子、いるじゃないですか、ブルべっぽい、乃木坂にいそうな」
女「あー、はいはい、かわいいよね、人気ありそう」
男「最近LINEしてて、土日でと思ってご飯誘ったんですけど、返事来なくて…見てもらっていいですか?」
女「いいよ~!なんでだろうね」
男「こんな感じで、2日前から返信きてなくて」
女「絵文字多用とかもないし、即レスしてるし、ランチデートだし、問題なさそうなだけど…多分この子、単純に忙しいんじゃないかな」
男「やっぱそうすかねー、LINEは問題ないか、じゃあ待っておこうかな…」

いやいやいや。
お姉さん、それ、本気で言ってる?彼のこと、ほんとに考えてあげてる?
例えば気になる男に、ランチデート誘われて、返信が必要な内容に土日2日間も放置って、女子、そんなことする?
私の前述の友人なら、多少可能性があるが、聞いてみたところ、相手が気になる男だったら、さすがに2日間は放置しないよな、という結論に至ったのでやはりこの場で彼に教えてあげるべきは「これは脈を打ってない、死んだLINEだ」と伝えてあげることなのだ。
要は、彼が待ったところで、恐らく事態は好転しない。適当な理由をつけて断られるか、最悪返事が来ない。
返事が来ない間も彼はLINEを待ち続ける。その間、彼はモヤモヤするだろう。精神に悪影響を及ぼす。彼に待ち時間はデメリットしか生まない。それなのに「待つ」選択をさせるのは、酷ではないのか?それだったら、私は「残念だが、脈がない、次に行こう」と言う。女性は割と、男性に押されるのを嫌う。タイプだったら話は別だが、そんなにタイプじゃないと、基本的にめんどくさいのだ。「断る煩わしさ」に襲われる。だから、時間を空けて、察してもらいたいという女性も多い。彼はその女の子から返事がきたら、秒レスするだろう。男は、可能性に縋りつかず、何人も女がいるタイプがモテやすいが、そのウェイティングタイム2日間に対して秒レスすることで、縋ってる雰囲気が全面に出てしまうのだ。私はチキン南蛮を貪りながら「そういえばそんな男がいたな」と自身を振り返り始めた。

マッチングアプリで、少し仲良くなった台湾人男性がいた。
正直、私は好感を抱いていた。今思い出すと非常に気持ち悪いのだが、仕事のし過ぎで恋愛から遠ざかっていた私は、浮かれまくって何も見えていなかった。
そんな時、彼が台湾に帰省した。(コロナ前)
彼はほぼ毎日LINEをくれていたが、私の送信を5日間未読にしていた。
珍しいな、台湾でいい女の子とか見つけちゃったかな、と思っていたら、日本に着いた途端にLINEをくれた。「ただいま、忙しかった」と。内訳は「パーティーとパーティーと親戚と遊ぶのとパーティー」だった。私は「忙しい」の意味を調べた。

いそがし‐い
【忙しい】《形》1.急いでしなくてはならない事に追われている。する事が多くて休む暇もない。多忙だ。
 「仕事が―」


だよね?忙しいって、しなくてはならないことに追われることよね?パーティーは「しなくてはならないこと」ではないよね?
そうかそうか、私は、君にとって、彼女に近い存在ではないんだなと思って、見切りをつける、いいきっかけにはなった。

何が言いたいかというと、保身すんな、なのである。
忙しいということで、「僕は悪くないんだ」と言われてる気がするのだ。
私は、何も責めていない。「めちゃくちゃ地元楽しくてお前のこと忘れてたわ」と言われたほうが、よっぽど気持ちいいのだ。
言葉の中に「嘘」が感じ取れてしまうのだ。「めちゃくちゃ地元楽しくて、返信しようしようと思ってたのになかなかできなかった」とかでもいい。でも、忙しい、と言われると、言われた相手は、何も言えなくなるのを、言及してこないのを、敢えて、わかって、使ってるような気がする。
信頼したいと思っている相手に、牽制されたと感じた場合、ほぼ傷つく。
関係が対等でないからだ。
そういうときは、すっぱりきっぱり、離れていく。そして翌年、どうでもよくなっている。(無理にブロックとかもしなくていい)
それは自分を大切にする、ということに、繋がる。

年齢を重ねないと、気づけないことが多くて、困っちゃうよね。

結論:「忙しい」とだけ言ってくる男とは、信頼関係が築けない


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