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PdMが経営の視点も学びながら業務を進めるのは"SODAならでは"。CEOとCPOが求める「事業を作る人&足元を改善していく人」

「世界中が熱狂する次のマーケットプレイスをつくる」をミッションにスニダンを運営する株式会社SODA。

そんな同社がいまもっとも力を入れていることのひとつが「PdM」チームの体制強化だ。今回はCEOの内山、CPOの巣鷹にプロダクトビジョンやPdMのプロダクトにおける重要性などを語ってもらった。

PdMの指針となる、5つのプロダクトビジョン

ーまず内山さんから、SODAのプロダクトビジョンについて伺えますか?

内山:プロダクトビジョンは昨年(2023年)の末ごろに作ったのですが、それまでSODAにそういったものは存在していませんでした。僕らのビジネスは「変化が激しい」という市場の特性上、前もって敷いた1年・2年・3年といったスパンのロードマップに沿っていくようなやり方だと、その変化についていけない。だからプロダクトビジョンとか「将来、どうしていく?」については、半年程度は想定しつつも、それ以降のことに関しては「市場の流れに準ずる」といった考え方だったので、これまでは作っていなかったのです。ただ、昨年末に市場が変化してもブレないプロダクトの考え方をきちんと策定し、プロダクトチームもそれに沿って行動していこう、そこからズレていないかを考えていこうということになりました。

巣鷹:経営陣で合宿を行い、プロダクトビジョンをまとめました。それで決めたのが①「誰でもどこでも使える」②「ほしいHYPEなモノが必ずある」③「ほしいHYPEなモノと出会える」④「洗練された購入・販売体験ができる」⑤「モノを通じて情報発信・収集、コミュニティ形成ができる」の5項目です。それまでは中長期の指針のようなものを作れていなかったので、プロダクトとして「どうしていくべきか?」という判断軸があやふやな部分が正直ありました。でもこれを作ることで、PdMとして意識すべきことがわかりやすくなったと感じています。

ーそれは経営陣だけが共有し合ってるワケじゃなく、メンバーまでしっかり浸透させることで"向かうべき方向"が明らかになったということですね。

巣鷹:そうですね。プロダクトチームの日々の会議でも、毎週、意識合わせして浸透できるようにしてます。

目指すべきは、プロダクトを"意識せずとも"使える状態

ーではそんなビジョンに基づいて作られる「SODAのプロダクト」がユーザーに与える影響について、お二人の意見をお聞かせください。

内山:まず、SODAには「世界中が熱狂する次のマーケットプレイスをつくる」という会社全体のミッションがありますが、我々は「プロダクトビジョンを実現すること=ミッションが達成している状態」と考えています。ですので、さきほどの①②③に関していうと「アプリを立ち上げて、わざわざ検索しなくてもほしいモノが見つかる」ような状態が理想です。それらを実現していけば、ユーザーとしてはプロダクトを意識せずとも使えるようになっているのではないかと。要は"身体の一部になっている"ようなイメージです。そういったところまで持っていくことができれば、ユーザーとしてはかなりメリットが大きいのではないかと思っています。

巣鷹:特に④の「洗練された購入体験」に関しては、思い入れが深くて。買った次の瞬間にはインターホンが「ピンポーン!」と鳴って、商品が家に届くようなイメージです。それが現実的に可能か不可能かはいったん置いておいて「それくらいのレベルになってないと、我々のミッションって達成できてないよね」といった議論はしましたね。現時点ではまだまだギャップは大きいですが、そこに向かって取り組んでいる最中です。

内山:やっぱり「(購入ボタンを)押したらすぐ届く」のが一番の理想ですよね。C2Cなので、実際のところは取引成立したら出品者がアイテムを送って、スニダンがそれを鑑定・検品して、問題がなければ購入者の手元に届く。だから少なくとも中2日ないしは3日かかってしまう。でも一番良いのは「ポチッと購入したらすぐ届く」こと。現状、最短でも数日かかってしまうのを「当日もしくは翌日に届けるためにはどうしたらいい?」について、ビジョンがあるからこそプロダクトチームは「それを実現させるために」と考えることができる、ということもあるかもしれませんね。

巣鷹:「自分がほしいと思っているモノが見つかる」ということと、あとは新たな興味を見つけるといった文脈での「HYPEなアイテムに出会えるようになる」といった目標も設定していて。スニダンを使うことでどんどん自分の興味・関心が広がっていって、より充実した自己表現が実現できるといったこともありますね。

PdMが経営の視点も学びながら業務を進めるのは「SODAならでは」


ーそんなSODAのプロダクトチームですが、どのような体制で作られているんですか?

巣鷹:組織体制の改善スパンが早いため、現在の状況についてですが。現状は6チームあり、PdM・エンジニア・デザイナーがそれぞれのチームに存在し開発を進めます。SODAでは会社全体として「プロダクトへのこだわり」が強いのが特徴です。プロダクトをどうしていくか?どういう優先順位で開発を進めていくか?といったところは経営陣と事業責任者、PdMで議論して決めていく形になります。そのため、PdMは開発のサイクルを回すだけではなく、経営陣との議論を経て、経営の視点も学びながら業務ができるようなフローになってると思います。その議論の場で優先順位を決めた後で、各担当のPdMが「どういう仕様ならユーザーにもっとも高い価値を提供できるのか?ビジネスのインパクトがあるか?」などを考えて仕様に起こし、それを改めて議論しながら価値あるものを作っていく流れになります。

ー経営陣と細かく議論しながら業務を進めるPdMというのは、SODA独自のスタイルだったりするのでしょうか?

内山:スニダンはスニーカーから始まって、その後、ストリートウェアやトレーディングカードゲームの取り扱いを進めています。要は「バーティカルを切る」みたいな言い方もしますが、カテゴリを縦に切ってサービスを展開しています。総合ジャンルのフリマやSaaS系サービスの場合には「最初から間口が大きいので、数年先まで想定して優先度の高いものからやっていく」といった進め方が多いかと思いますが、スニダンは市場の流れに合わせて、そのときどきで最適解を作っていく方が事業として伸ばしやすいなと考えているので、そういった意味ではちょっと特殊かもしれないですね。

巣鷹:市場の流れに左右されるので「これをやるぞ!」で突き進むというより、スクラム開発を用いて、一週間毎に開発する内容の優先度を見直し、市場の変化に対応しやすいようにしてますね。

貴重な"金のリソース"を使って事業を伸ばす、極めて重要度の高いポジション

ーありがとうございます。ではPdMがSODAにどんな存在か?についてお話いただけますか?

巣鷹:これは内山の口癖ですが「エンジニアのリソースは"金のリソース"だ」と。基本的には機能追加やユーザー体験を改善して事業を伸ばしていく感じです。そこで「金のリソースをどう使って事業を伸ばしていくか?」に携わるのがPdMなので、その意思決定は非常に大切ですし、自分の意見が事業成長に直結するすごく重要なポジションだと思っています。

内山:開発は「何かを作るぞ!」となったとき、それが完成するまでに短くても一週間、長ければ数ヶ月とか半年ほどかかるものもあります。そのため、「何を作るのか?」を間違えると、その時間のすべてが無駄になってしまう。だからこそ、エンジニアのリソースは本当に貴重です。基本的にはPdMが「どんな機能を作るのか」をリードして「こんな機能を作ったらこういった良いユーザー体験が生まれるよね」など、PdMが作った仕様をエンジニアと話しながら進めていきますが、リリース後「全然ユーザーに響きませんでした」となると、半年とかが無駄になる。「何を・どの順番で作っていくか?」については、もっとも悩まないといけないところです。適当に「それでいこっか!」で決めてはいけない、意思決定としても重要なポイントになります。事業を伸ばすことに直結しているし、責任感を持ってやらないといけない部分という意味では、PdMはかなり重要度が高いポジションです。

ーフローとしては現場のPdMがマネージャーと議論したうえで、それを経営陣との打ち合わせで議題に挙げるといった感じですか?

巣鷹:例えば仕様についてだと、まず部門内で揉んだうえで事業責任者や内山とディスカッションする形です。一方で優先順位に関しては経営陣が「こういうのがいいんじゃないか」と決定しますが、それは別にトップダウンでやりたいワケではないです。現場からいい意見が出れば、それを含めて決めていく形になっています。

ーそれはもちろん、いい意見が上がってくることもあれば「それは違うんじゃない?」という時もありますよね。

内山:そうですね。プロダクトのどこを改善すべきか?については、日頃から使っていればボンボン出てくるとは思います。とはいえ「それをやることでどこの数字が伸びるのか?」とか「具体的に何が解消されるのか?」といったところまで深く考えてジャッジするのは簡単なものではないですし、やりたいようにできるものではないので。そういう意味では、最初の「何をする?」といったところは部門内で揉むとかではなく、はじめからみんなで案を出し合って精査してます。

巣鷹:あと「開発完了まで半年」みたいな話ですけど、スニダンはとても複雑になっています。スニーカーの二次流通から始まったところに後からスニーカー以外を加えて、そこにトレカといった特殊なカテゴリを追加していき、さらに一次流通も入ってきたりしている。それだけではなく、鑑定部門が使う管理画面もあったりする複雑なサービスになっている。複雑だからこそ、PdMとしてはおもしろいし、実力を発揮する甲斐があると思っています。

「スニーカー依存からの脱却」を目指した、直近の成功例

ーではそんなPdMですが、直近の成功例などについて教えてください。

巣鷹:「STYLEタブ」の実装が、まさに最近の成功例ですかね。スニダンのトップ画面にある「STYLE」というのがそれですが、これはスニダンで取り扱っているアイテムを着用しているイケてるユーザーのInstagramの投稿がどんどん流れてくる機能です。開発した背景としては、先に話したプロダクトビジョンの②「ほしいHYPEなモノが必ずある」③「ほしいHYPEなモノと出会える」の文脈があります。それまでのスニダンはモノを軸に展開しており、ほしいモノを探して購入するという流れだったのですが、そういった「モノ軸」ではなく「ヒト軸」に変わっていったところがポイントになります。「この人が着用してるから買う」とか「この写真がカッコイイから買う」というようなモノとの出会いを演出したいなと。そういったことで興味をより広げてもらえれば、事業成長はもちろん、ユーザー体験も向上するんじゃないかなという意図で開発したものです。

「『STYLE』実装のお知らせページ」はこちらから

ーその機能による効果っていかがでしたか?

巣鷹:GMV(流通取引総額)への貢献はありましたし、かなり見られているページになったので、購入だけじゃなく日々のコーディネートの参考にしてもらっているのではないかと推察しています。元から目的としていた「(モノとの)出会い」の意味合いで、ここに取り上げたアイテムがいくつも売れたりするので、うまく演出できてるのではないかと思います。

内山:スニダンってスニーカーから始まっているので、GMVの大部分をスニーカーが占めていたんですよ。スニーカー以外の比率を高めていこうと考えていたので、アプリのトップ画面で他のカテゴリも見やすくするとか、「STYLEタブ」でスニーカー以外のアパレルをフィーチャーすることで、いままでスニーカーしか買ってなかったユーザーが少しずつアパレルを購入してくれるようになるなど、少しずつ変化を感じています。

ーなるほど。

内山:それと「シューズタブ」というのも今年から始めたのですが、スニーカーが流行っていたこれまでの時代から、革靴ジャンルに流行がシフトしていく可能性が高そうという見立てがあって。いままでNikeとのコラボフットウェアを出していたようなブランドも、2024AWの各コレクションを見るとローファー系とかティンバーランドみたいなブーツ系にシフトしていたりします。スニーカーではない部分がこれから流行りそうだよね、という考えに基づいて「シューズ」のタブを作りました。いまは夏なので「サンダルタブ」になってますが(笑)。そういった「スニーカーだけではないところ」までキチンと発展させていこうというところで、少し前から動いていた結果、GMVに占めるスニーカーの比率は減少し、トレカやアパレルがその分伸びているので「スニーカー依存からの脱却」という意味では、ある程度の結果は出ているのかなと思います。

ー「スニーカー依存からの脱却を目指そう」といった市場を鑑みた意見というのは、PdMを含んだみなさんの会議で出たアイデアなんですか?

内山:そういった意見がプロダクト部門の中だけで出てくるようになると、非常に強いと思っています。ただ、それを出すためにはプロダクトの知識だけではなく市場を把握していないといけない。「おそらく市場がこう変わっていくから、我々のサービスもこう変わっていくべきだよね」というところの判断は、プロダクトの知識だけでは難しい。その意味で、プロダクトをどうしていくか?についてはプロダクトチーム内だけではなく、マーケティングだったりを含めて話していく必要があります。「実現できるか?」はいったん置いておいて、数年のスパンで見てプロダクトチームだけでもそういったところまで考えられるようになれば、すごく強いチームになるのではないかと思っています。

ーちなみに、こちらをお読みになった方が実際にご入社された際、お二人とはどういった関係性で働くことになるのでしょうか?

巣鷹:まず私とは「部門としてはこういうのがいいんじゃない?」「仕様をどうブラッシュアップしていったらいい?」といったアイデア出しなどで、かなり細かくコミュニケーションをとることになります。一方で内山とは、さきほど「みんなで一緒に考える」みたいな話もしましたが、そういった打ち合わせの場で直接コミュニケーションをとる感じですね。

欲しいのは「事業を作るPdM」と「足元を改善していくPdM」

ーでは最後に、こういった人に応募してもらいたい・こういった人がSODAにマッチするのではないかというところのメッセージをいただけますか。

巣鷹:SODAは「Growth First」というバリューがあるように、事業成長を大事にする会社です。そういった中で活躍するPdMは事業成長のことをひたすらに考え抜いて、それをプロダクトで表現していく仕事になるので、社内のしがらみとかじゃなく事業成長にこだわってプロダクト開発をしたい人と一緒に働きたいですし、そういった人こそ活躍できると思います。意思決定とか仕様のクオリティが事業成長に直結するサービスなので、それを追い求める人と働きたいですね。

内山:PdMの役割もいくつかに区切りがあると思うのでなかなか難しいですが、さっきの「買ったアイテムがすぐに届く」みたいな話って、プロダクトのことだけを考えていても出ないアイデアなんですよね。事業を伸ばすためには?とか、サービスをよりよくするためには?とか、そういった視点から出るアイデアなので。それを実現するためには、プロダクトはどうすべきか?といった考えが必要になります。だからこそ、プロダクトだけに留まらずにサービスとしてよりよくするためにはなにをすべきか?みたいなところを考えるのが得意なハイレイヤーな人も採用したいなと思っています。とはいえ、エンジニアやデザイナーとコミュニケーションを取りつつ、ある程度の「こういうことやろう!」と決まったことに対してそれをスムーズに進めていくみたいなポジションも必要かなと。かなりハイレベルなところでプロダクトではなく「事業を作る」という意味でのPdMと、足元をガンガン改善していくPdM。それぞれのポジションで人が必要だなと思っています。

—本日はありがとうございました!

内山 雄太 / 株式会社SODA 創業者 兼 代表取締役
フリーランス、スタートアップを経てTHE GUILDにて大手クライアントプロジェクトを経験。前職・株式会社ミクシィにてデザイナーを経て、SODAを創業。趣味は釣りと野球。
Twitter: yutmpo
Instagram: yutmpo
YOUTRUST:  Uchiyama Yuta

巣鷹 岳生 / 株式会社SODA CPO
ナイル株式会社に新卒入社し、Webマーケティングのコンサルタントとして6年間在籍。その後株式会社ストライプインターナショナルの子会社にてママ向け通販事業のPdM・マーケティング責任者をつとめる。2020年9月に株式会社モノカブに入社。2021年8月、買収のタイミングでSODAに転籍。
YOUTRUST: Takeo Sudaka

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