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この国の分断に秋晴れの空の青さを思う。~天青と焼はたはた~

吟望天青 秋 純米おりがらみと焼きはたはた

9月27日、世論を大きく二分したまま安倍晋三元首相の国葬が日本武道館で執り行われました。厳かな式が館内で行われる一方でその外では献花にならぶ長い列と国葬反対を唱えるデモ行進の列。。そんな相反する心情が交錯する夜に封を切るのは、、

小生の地元神奈川の酒蔵、熊澤酒造の天青「吟望天青 秋 純米おりがらみ」。杯に注げば、おりがらみ特有のうっすらと濁った色合い。一口飲めば、口当たりはスルッとして飲みやすいけど、味わいはふくよかでフル―ティー、しっかりとした旨味があります。それでいて後味はシュッとしていて、酒米五百万石らしいキレがあります。酒米はやっぱり五百万石が好きですね。

アテは、島根名産の焼きはたはた。すでに加熱されているので、そのまんまでも食べられるお手軽なおつまみです。みりんふうの味わいですがそれほどくどくなく、しっとりとしていて飽きずに食べられます。さらに、ちよっと温めれば香りがたってさらに美味しいです。小さいはたはたなので、丸ごと食べられてカルシウムもばっちり(笑)。お酒も進みます。

裏ラベルにある酒蔵の説明によれば、「天青」の由来は、中国の故事にある「雨過天青雲破処」からきていると書かれています。

雨過天青雲破処

中国の五代後周の皇帝は、青磁の器を作るにあたり「雨過天青雲破処(うかてんせいくもやぶれるところ)」即ち「雨の過ぎ去った後の雲の切れ間から見える空の色」を理想の色とし、天青色と呼ばれました。雨が上がった後の雲の切れ間から見える突き抜けるような涼やかな青。図らずも天は秋晴れの曇りのない青い空、翻って人の世は大きな賛否による分断が深まりました。
国葬に賛成でも、反対でも、この分断を深めた責任は現政権にあることは間違いないのではないでしょうか。

「雨過天青」には、雨が止んで晴れ間が広がることから、悪い状況や状態が好転する意味もあります。国葬の問題のみならず、この国が抱える様々な問題が一刻も早く良い方向に向かうことを切に願いながら、今宵も杯をあけます。
最後の写真は、たまたま先日の台風が過ぎた後、雲間からぽっかり青空が見えてきれいな空だったので撮影しました。「雨過天青雲破処」の空とはこんな空なんでしょうか。

まさに「雨過天青雲破処」?!




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