シンパシーとエンパシーを考える
シンパシー Sympathy 「同情」
相手の味方になろうと一体化に努める。相手の感情に同調し、共鳴し、共有までしようとする。
思いやり、憐れみ。感情と表現。
誰かのことをかわいそうだと思う気持ち
誰かの問題に理解や心配りを示すこと
他の人の気持ちや興味に入り込んだり、或はそれらを分かち合うこと
「その時、主人公はどんな気持ちでしたか?」
相手と自分を同一視し、自分の経験に照らし合わせ、相手と同じ気持ちを抱こうとする。
悲しい映画や話を聞いて、共に泣きたくなる。戦争の犠牲者をみて怒りや悲しみを感じる。震災後の瓦礫の下で泣く子供をみてかわいそうにと思う。不幸になっていない自分を恨む。感情まで。
溺れている人を見て、ああ可哀想!!助けなくては!と直ぐに自分も水に飛び込む。心中する。
「相手のことがわかる」という前提で考えるコミュニケーション。相手の気持ちをおもんぱかり、自分の気持ちもおもんぱかってもらうことを期待している。もたれ合い。「わかる~♪」
自分と同じ境遇にいて欲しい願望に呼応して、相手に巻き込まれるのを厭わない姿勢。逆の立場で他者を道連れにして感情を一体化させる傾向。
共依存関係のリスク。
エンパシー Empathy 「共感」
相手と一定の距離をおき、感化されることを避ける。しかし能動的に相手の立場に自分を置き換え、相手の心境を想像する行為。技術。
人の気持ちや経験を理解できる力
「あなたが主人公と同じ立場に置かれたら、どんな気持ちになると思いますか?」
相手の理解に努めるも、相手と自分を同一視せず、相手のニーズに応えようとする。
悲しい映画や話を聞いて、彼らの苦しみや悲しみの理解に努めた上で、何かをしようと行動が伴う。戦争の犠牲者に援助の手を差し出す。被災地に寄付や援助物資を送る。行動まで。
溺れる人を見ても自分は飛び込まずに浮き輪を投げて「それに飛びつけー。そしたら僕が引っ張って助けてやる」という。限界を弁えた支援。
「相手の気持ちはわからない」という前提で考えるコミュニケーション。自分だったらどう感じるかを俯瞰的に考え、相手の同情ははじめから期待していない。自立。「詳しく聞かせて」
互いが異質として尊重しあう。感情は共有しないが、相手の心境を理解することに努める。当事者性は強いが、同一化を避ける一線がある。
自立した者同士の関係構築。
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