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20名のメンバーを1人でマネジメント!データドリブンな営業組織のつくり方

今回のnoteでは、直販にスポットを当てた営業組織の立ち上げ方について解説しようと思います。

私がメルペイの営業組織を立ち上げた時は、1人のマネージャーが最大で20名のメンバーをマネジメントしていました。
しかし、一般的には1人のマネージャーがマネジメントできる最大の人数は8名と言われています。

今回はどのようにして20名のマネジメントを私が実現していたのかを大公開します。

急拡大する営業組織の立ち上げ方

私がメルペイの営業組織を立ち上げた時は、毎月15人ペースで営業が入社していました。
1年以内には100人を超えることが確実にも関わらず、当時のマネージャーはたった2名。
マネージャー採用を進めることと並行して1人のマネージャーが多くのメンバーをマネジメントせざるを得ない状況でもありました。

マネージャーが行う4つの業務

当時、めまぐるしい環境の中で働いていた私が行っていた主要業務をまとめ、上手くいったこと・失敗したことを整理してみました。

1.採用

毎月15人入社するということは、面接数はその10倍をゆうに超えます。
そして、オンボーディング以降の入社後の工程は採用した人材次第で難易度が大きく変わります。

私が大量の採用を行なって得た気づきは、採用数を確保する為に採用基準は下げてはいけないという事です。

頭数を揃えるために採用基準を妥協して100人採用した場合と、採用基準を落とさずに10人の精鋭を採用した場合ではどちらが成果が出ると思いますか?

私の経験だと後者です。

採用基準を満たしたメンバーは高い成果を出すことに加えて、自走するスピードが早く、モチベーションの高低で成果のアップダウンが殆どありません。

ですので、採用基準は絶対に下げないことと、初期に骨太の採用基準をしっかり作ることが今後の命運を左右します。

短期間で戦力化しやすい採用基準の一例は以下です。

  1. コミット力が高い
    過去に目標達成する為に努力をして困難を乗り越えた経験がある。

  2. カルチャーフィットしている
    自社のミッションやバリューに共感している。

  3. 成果を出す為のロジックがある
    高い営業成績を出せた要因が言語化できる。

1.と2.はMUSTですが、3.は営業経験者のみ対象となります。

2.オンボーディング

ここでは営業に関してのオンボーディングについて解説します。

入社した直後は一週間程かけてオンボーディングを行います。
この時、最も重要したのは営業ロープレです。

営業が客先で使う提案書とトークスクリプトはマネージャーが実際に営業をして改善を反映したものを用意しています。
営業マンはその提案書を使って、90%以上スクリプトを再現できるトレーニングを行います
提案書のスライド毎に話す内容も決まっており、このトレーニングを経た上でテストに合格しないと客先に向かうことは出来ません。

テストの時にはマネージャーがスクリプトを見て、メンバーのトークがスクリプトから逸脱していないか一言一句チェックします。

図1.

このトレーニングの目的は図1.のLevel1を完璧に習得することを目指しています

この目的は2つあります。

  1. 誰もが正しく商品説明が出来る状態にして、Level2以上のスキルを身につける基礎を身につける

  2. 中途入社する社員に対して、どの先輩社員も同じ内容を教えられる

90%以上スクリプトを再現することを要求するので、中には1ヶ月以上営業に出れないメンバーもいました。
しかし、今振り返ってもこの取り組みは正解だったと感じます。

因みに私が在籍していたキーエンスの子会社では、95%以上スクリプトを再現しないと客先に出ることは出来ず、全ての営業がトレーニング開始後一週間以内で合格していました。

3.目標達成するための進捗管理

20人のメンバーをマネジメントする上ではここが要です。
特にローンチ直後のプロダクトであれば、マネージャー自ら営業活動をして以下の指標を把握することから始めます。

  1. アポ獲得率

  2. 商談化率

  3. 受注率

  4. 商談期間

  5. 月に商談できる最大値

そうすることで、適切な目標を設定しそれを達成するための合理的なKPIを置くことが出来ます。

その後に行うことは、営業活動の全プロセスをデジタル化することです。

デジタル化のイメージ

全ての営業マンのアポ件数、商談件数、受注件数、アポ獲得率、商談化率、受注率を一覧でリアルタイム反映します。

各種指標の率もリアルタイムに正確に把握することで、ハイパフォーマーが上手くいっている要因やメンバーの異常値が手に取るように判ります

例えば、100人の営業のプロセスを一覧で眺めてみると以下のことが判ります。

メンバーA:コンスタントに訪問・商談を重ねて受注に繋げている
メンバーB:やたら訪問しているけど全く受注に繋がっていない

メンバーBの場合は、営業スキルに問題があるかそもそも営業活動をしていない可能性があることが判ります。

このインフラを構築して、全ての営業マンの活動をデジタル化することが少ないマネージャーで多くのメンバーをマネジメントすることを可能とします。
マネジメント対象のメンバーが少なかったとしても、このインフラは営業活動を支える基盤となります。

営業プロセスのデジタル化には営業支援ツール(SFA)を活用することを強くお勧めします。
知見がない方が自前で行うと期待していたアウトプットが反映されるのに1〜2年はかかりますが、プロが行うと3ヶ月で実現可能です。

4.メンバーのモチベーション管理

最後に解説するのは、メンバーのモチベーション管理についてです。

どんなに正しいことでも、人は必ずしも合理的な理由だけでは動かないです。人間同士なので相性もありますし、気分が良い日もあれば悪い日もあります。

何よりモチベーションの低いチームより高いチームの方が、圧倒的に成果を出します

メンバーのコンディション把握やモチベーション向上に繋げるためには、少なくとも隔週での1on1の実施を行うことをお勧めします。

隔週の1on1の実施は負荷が高いと感じる方もいるかもしれません。

しかし、私が在籍していたメルペイやスマニューでは原則毎週1on1を実施していました。
マネージャーの重要な仕事の一つが、1on1を通したモチベーション管理による生産の向上だからです。

メンバーとの1on1は都度スケジュール調整するのではなく、重要なタスクとして毎週固定でスケジュールを押させてしまうのがコツです。

そして、1on1の際のマネージャーの基本的なスタンスは「傾聴すること」

傾聴すると、成果に伸び悩んでいるメンバーは、自責・他責含めてあらゆる要因を話してくれます。
成果が出ているメンバーは、管理ではなく支援を必要としています。

マネージャーが絶対にやってはいけないことは、メンバーとの1on1の予定に頻繁に遅れたりリスケすることです。

これを行われたメンバーは自分のことを蔑ろにされたと感じ、本音で会話してくれることが減ってしまうからです。

メンバーのコンディションを把握して、それぞれに適したコーチングをすることで、これまで解説した手法が効いてくるのです。

マネージャーが行う4つの業務のポイントを最後にまとめます。

  1. 骨太の採用基準を作り、採用に妥協しない

  2. オンボーディングプログラムを設計し、徹底して実装する

  3. SFAを活用して全ての営業プロセスをデジタル化する

  4. 1on1を通して営業のモチベーションを高く維持する


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