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BtoBマーケティング戦略と、マーケ・営業のチーム編成の考え方

何回かにわたって、「BtoBマーケティング戦略の立て方」について具体的に解説しています。

前回はこちらの記事です。よかったら読んでみてください。

さて、前回はBtoBマーケティング戦略の立てるにあたっての最初のステップについて解説しました。

・競合調査で相手を知る
・顧客の購買行動を知る
・やることを絞る、やらないことを決める

ここまできたら、次はどうするか。

この領域で、こういった戦い方をしようという戦略が見えてきたので、当然、売上目標達成を実現するために戦術に落とし込んでいくのがですが、そのまま施策の検討に移るケースもあれば、そもそも、採用計画を見直す必要があったりもします。

今日は個別の施策を考える前に、どんなチーム編成でのぞむべきかについて書いていきます。

いきなり営業人員を増やすのは危険

ぼくが企業からマーケティング支援、グロース支援を依頼されるときは、「とにかく問い合わせを増やして、売上につなげたい」というニーズがあります。

そして、そういった会社さんの場合、問い合わせを増やすために、とりあえず営業を増やそう、と考えていることが多いです。

資金調達をしたタイミングで営業の数を倍に増やして、問い合わせの数も倍にしようと目論むのはある種、「スタートアップあるある」とも言えます。

ですが、これはそんなにうまくいきません。

「営業を5人から20人にしよう」と言っている会社の事業計画を見ると、「そこは10人までに留めておいて、残りの10人分の人件費は変動費で収まるマーケティング施策に投資したほうが最短でゴールに近づきやすいだろう」というケースがよくあります。

売上を増やすのに必要なのは営業の人数ではないのです。実際にそういった理由で採用を止めてもらうこともありました。

もちろん逆のパターンもあります。前もお伝えした通り、『The Model』にならってインサイドセールスを入れて営業を分業化している企業も多いのですが、「いまのフェーズだったら逆にインサイドセールスを入れないほうが効率がいい」ということもあります。

事業フェーズによっては、変に分業しないほうがいいこともあります。そうなってくるとまだインサイドセールスを採るのは早い。

BtoBマーケティング戦略、つまり「売れる仕組みづくり」を考える際には、そういった人事関係、チーム編成から考えるべきなのです。

1年間で数千万円の人件費が浮いてくるので、それをマーケティングに投資して、1人あたりの営業の生産性を3、4倍に上げていくことをまずは検討します。

「やってみないとわからないこと」を知っておくために

なんでここまで採用にこだわるのかというと、主にSaaSモデルの会社は毎月1人あたりいくら売るのか、という予実を事業計画に組み込んでいるわけです。

ただ、実際に営業が受注するまでのプロセスを踏んでいくと、結局はその前段階の「商談をつくる」ところが思ったよりも難しいはずです。

現段階で2、3人いる営業がそれぞれ毎月5件で500万円売っているけれど、その営業人員が2、3倍になったとして、そもそもの商談をつくる機能が足りなくなるよね、という問題を見落としがちです。

こうやって書いていると、「そんなの当たり前のことでは…」と感じるかもしれませんが、“自分たちがはじめて直面するわからないこと”って、当然、「自分がわかっていないことに気づかない」のです。

採用とチーム編成、予算の振り分けもBtoBマーケティング戦略の一環です。そう考えるとBtoBマーケティングってすごく大事な仕事だと思いませんか。

重要なことなので繰り返しますが、ほとんどスタートアップがはじめての資金調達をした後にまずやることって、基本的に営業メンバーの採用なんです。それも急激に人を増やしてしまう。その結果、固定費が重くなりすぎて、レイオフせざるを得ない会社さんも最近は多い。

そうなってしまうと、将来にわたっての採用計画にも響いてきます。一度人を増やしたら、おいそれと減らせないですからね。採用は後戻りできないものです。



というわけで、いまの採用計画は妥当なのか?を一度立ち止まって考えることも、BtoBのマーケティング戦略においては重要なことです。

これは見落としがちなポイントです。

特にエンジニア出身の方が会社を経営していると、なかなか気づかないものです。

そういう意味でいうと、僕はマーケティングの世界において、さまざまな会社のケースを見てきました。「この段階はこれはやらなくていい」ということもわかります。

かつては自分もそうやって失敗してきたので、勘所が見えてくるのです。

他人の失敗から学ぶことほど効率的なことはありません。


次はいよいよ個別施策の話に入ります。売れる仕組みを実践するために、最初に取り組みたいのはすぐに成果が出やすい施策です。

まずは名刺を活用しましょう。次回の記事は「BtoBマーケティングの実践は、まず『名刺』から手をつける」をお届けします。

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