6/15開催レポート「私たちの知らない世界。~教育機会を十分に受けられなかった人たちのこと~」
6月の「私たちの知らない世界。」のテーマは「教育機会を十分に受けられなかった人たちのこと」
教育機会を十分に受けられなかったおとなの人たちの現状やその状況に至った理由、支援と取組みの現状について、学習支援を行っているお二人に話題提供いただき、私たちができることについて考える機会となりました。
話題提供者の園田さんは仙台自主夜間中学の運営をされています。昨年4月に仙台市では公立夜間中学(南小泉中学校夜間学級)が開設されニュースなどでも夜間中学が話題となりました。
仙台市立南小泉中学校夜間学級(夜間中学)|仙台市 (city.sendai.jp)
公立夜間中学と自主夜間中学の違いについて簡単にまとめましたので先に紹介します。
仙台自主夜間中学の園田淳子さんから、仙台自主夜間中学の特徴やどのようなきっかけで自主夜間中学に通うようになったか、どのような人が学習しているかなど、学習者の方の背景や取り組みの現状について話題提供していただきました。
まずは、冒頭にも簡単に表でご紹介しましたが、公立夜間中学と自主夜間中学の違いを見ていきます。
夜間中学に詳しくない人は、公立夜間中学と自主夜間中学の違いを初めて知ったという人もいるかもしれません。
「仙台自主夜間中学」は名前にも入っているとおり自主夜間中学です。
仙台自主夜間中学の学習の特徴として、「言葉の時間」があります。
まず授業に入る前に、言葉に興味を持ってもらうため、15分間「言葉の時間」を設けて、学習者・スタッフが共に一斉に学習します。
学習科目は学習者の希望に沿っており、希望科目は英語が多く、次に多いのが算数、数学。英語については、ABCの書き方から始まる方もいます。
学習者のうち、若い年代はネットで検索しての問い合わせが多く、スタッフは仙台市政だより、各所に配架をお願いしているパンフレットを見ての問い合わせが多いです。昨年4月の仙台市公立夜間中学校開設に伴う影響で問い合わせが増えていると感じています。
仙台自主夜間中学では学習を個別で対応しているので、勉強が「難しい」だけだったのが「楽しい」につながっています。
学びたい意欲を持っている人を一人でも掘り起こし、学習の機会を提供して、さまざまな事情を抱えている学習者一人ひとりに寄り添い、楽しい学びを行っていきます。公立夜間中学校とは今後も補完、共存しながら連携をしていこうと思っています。
続いて、個別教室のアップル代表の畠山明さんから自己肯定感の醸成や大人の女性の学び直しなど、本業の塾以外の取り組みについて話題提供をしていただきました。
本業以外で学習支援を行うようになったきっかけは東日本大震災。
気仙沼にある実家が6mの津波の被害を受けて、商売をやめてしまいました。親戚が亡くなったり、いろいろなことがありましたが、私たちの会社も3教室壊れてしまったので、自分の会社を直すだけで精一杯。地元や沿岸部に何もサポートできなくて、そこから無料学習支援を始めたり、講演活動を行うようになりました。
大人になって学び直しが必要な人は15歳までに何かしら家庭、特に小学生までは親との関係、中学生以降は親だけではなく友人や大人との関係性の中で何らかのトラブルがあった方が多くいます。
自己肯定感または自尊感情が低いとやる気が出ず、他の人を大切にできなくなることもあり、不登校やいじめとの関係も考えられるため、信頼できる人との共有体験が大切です。
そのような課題のある大人の人たちと共有体験をするために、学習者の女性と女性の教師を460人の中から人柄的にも安心できる人を選んでマンツーマンで学習支援を行っています。
自尊感情は2つあります。
だいたい毎年15名~20名の人に無料学習支援を行っています。
スタッフは勉強を教えるだけでなく、安全な学習環境を整えるべく学習カウンセリングを行うなど大変なことも多いですがやりがいがあるため活動を継続しています。
まなキャリを実施した方のアンケートを見ると、自己肯定感や就労意欲が上がっているのは、ほとんどの学習者が学ぶ機会がなかっただけだったことが分かります。また集団で学ぶのではなく、1対1でサポートすることで、「自分もやればできるかも」「私は大丈夫かも」と思えるようになることが見えてきました。
参加者からの質問をいくつか紹介します。
次回のご案内です。7月のセッションは休み、次回は8月になります。
8月は『市民活動』と『副業』の可能性と題して、宮城県内のNPOでのプロボノ(ボランティア・副業)を募集するイベントを行います!
せんだい・みやぎソーシャルハブのプロボノに参加した、三瓶悦孝さんから実際にプロボノで活動してみて感じたこと、本業との両立の工夫、得られた経験などをお聞きします!
『市民活動』と『副業』の可能性~自分のキャリア活かしたい人大募集!~
日 時:2023年8月17日(木)19時~20時30分
ゲスト:三瓶悦孝さん(せんだい・みやぎソーシャルハブのプロボノ参加者)/他、プロボノ受け入れ予定のNPOの方を予定しております
会 場:仙台市市民活動サポートセンター6階セミナーホール、オンライン会場(Zoom)
定 員:30名(Zoom会場は定員制限なし)
申込み:フォームからお申込み下さい
https://forms.gle/arr9y1ejfs4EX6HX7
みなさんのご参加をお待ちしています!
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