12/3開催レポート② ミニトーク「人を動かす情報発信」

レポート後編では、参加者とゲストの姉歯さんのディスカッションの様子をお届けします。
前編はこちら

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感想1)寝具店に「枕くださーい」と買いに来た人に「あなたは安眠を買いに来たんですねー」と最終的には翻訳する話を思い出しました。

感想2)相手が欲しがっているものと売りたいものが違うということについて。「これが聞きたい」という相談に来たひとには、その通りには応じないで、本当に欲しいものを見抜いて応じることが大事なのだと改めて感じた。

姉歯さん:お客さんは商品を購入しているのではなく、商品で得られる「問題解決」を買っている。彼らが何を求めて商品を購入しにきているのかを一生懸命考えないといけない。

質問1)「まずはお客さんが欲しいものを提供してファンにする」といった話があったが、そのリソースがない団体はどうすればいいか。

姉歯さん:新規顧客づくりはせず、既存の顧客にもっと購入してもらうためにどうしたらいいかを考えると良い。より深いサービス、より高い商品の販売を設計する。お客さんにステップアップしてもらう仕組みが出来上がってからそのあとに集客をする。

質問2)どのようなサービスを求めているのか、お客さんに聞けない(調べられない)場合はどうすれば良いか。

姉歯さん:例えば、商品を無償で提供して話を聞いたり、自分たち以外の同業種の人に話を聞いたりしてリサーチしている。
なお、調査をする場合、ついアンケートをしたがるが、アンケートでは答えが出てこない。例えばマクドナルドで、どんなメニューが欲しいかアンケートをすると、「ヘルシーメニューがほしい」という回答が集まる。そのアンケート結果に基づいてヘルシーなメニューを作っても、長続きしていない。というのも、お客さんはマクドナルドにヘルシーメニューを求めていないから。
通り一遍のアンケート調査をするのではなく、誰でもいいのでお客さんに三時間話を聞くことを行ってほしい。商品を購入する前どんな感情だったか、自分たちの商品を見つけたときどんな感情だったか、商品を購入して使ってもらって何が解決されたのか、どんな感情だったか、お客さんの感情を調査する。

質問3)「ひとを動かす」情報発信について。調査をした次の段階は、どのようなメッセージの出し方をすると良いのか。

姉歯さん:調査をするときに「お客さんの感情を調査する」と言ったが、その感情をどう刺激するかを考える。
メッセージの最初の入り口はタイトル(ヘッドライン)。お客さんがタイトルを見たときに「これ俺のことだ!」と思ってもらうことがポイント。
そして、ストーリーで相手に想像してもらう。商品を購入する前、商品を見つけた時、使ってみて、その時々にどんな感情になったか、ストーリーに近い形でお客さんに伝える。
見た人に「この問題を解決できるんだ」と信じてもらう。問題が解決した後の、自分の生活のイメージ図を描けるようなメッセージを出していくと、動いてくれる人が増えてくると思う。

質問4)NPOが課題解決にアプローチするとき、そのターゲットは複数存在する。解決までにいくつかの段階もある。何パターンかを考えるつもりで準備するといい?

姉歯さん:面倒臭がらずに、ターゲットごとにメッセージをつくってほしい。
商品のプロモーションをするときの広告は、なるべく効率的に人を集客したいので、どかんと大きなターゲットに出しがち。しかし、なるべく多くの人に届くように考えられたメッセージは、多くのひとにとって「自分に向けられているのか分からない」メッセージになってしまう。
広告は多くの人に出せば出すほどコストが掛かってしまう。まずは自分たちが一番力になれるひとをターゲットにして、小さく広告を出してほしい。手の届く方々にメッセージを出していくのが良いと思う。1万人に見せて1%に効果がある広告を。反応率の高い広告を出した方が、費用対効果は高い。

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おわりに

始まるまでは「マーケティング」という言葉にあまり馴染みがなかったのですが、支援を届けていくためには大事な視点であることを実感しました。「これ、私のことだ!」と感じてもらえるメッセージや反応率を意識していきたいと思います。

と同時に、「自分が困った状況にある」ということに気づいていなかったり、認めたくないひとに情報を届ける難しさも、改めて感じました。
引き続き模索しつつ、どういった手法が有効なのか、ソーシャルハブの場で知恵やノウハウを共有していければと思います。

ゲストの姉歯さん、ありがとうございました!


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