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【2024最新版】初代バリスタ世界王者を生んだ北欧オスロのおいしいコーヒーBEST5

 2024年6月にノルウェーのオスロを訪問し、バリスタ世界選手権で初代チャンピョンに輝いた JAVA をはじめ、いま注目を集めるコーヒーショップを巡ってきました。

 本記事ではコーヒー先進国でもあるオスロのコーヒー文化に興味がある方に向けて、筆者の独断と偏見に基づき、おいしかったコーヒーBEST5を紹介します。



第1位|JAVA KAFFEBAR


 バリスタ世界選手権で初代チャンピョンに輝いたロバート・トーレセン氏が率いる、1997年創業の伝説のカフェ JAVA KAFFEBAR

 いまから20年以上も前に開催された世界選手権のチャンピョンだから、若い世代のバリスタに追い抜かれているのでは? というコーヒー好きの疑いを見事に打ち破ってくれる、すばらしい1杯に出会いました。

北欧オスロのコーヒー巡り|世界一おいしいと思ったラテ
クリーミーな泡と口当たりの良いロックグラス|筆者撮影(2024年6月)

 注文したのは、シングルラテ。オスロでは、ほとんどのエスプレッソメニューに、シングルかダブルの選択肢が標準で用意されています。

 香りがよく酸味と苦味は控えめなエスプレッソと、少し甘めのミルクの相性が抜群で、毎朝飲みたい優しい印象。

 語彙力が足りないのが悔しいですが、おいしい湧水を飲んだ時にカラダに染み入る快感に近い、とてもナチュラルでクリーンな味わいでした。

 またウィスキーを飲むようなロックグラスは口当たりが良く、ラテはグラスで飲むというテクを日本でも真似したいと思いました。

北欧オスロのコーヒー巡り|シンプルなつくりのカフェ
テラスと店内カウンターをあわせても16席程のコンパクトな店舗|筆者撮影(2024年6月)
北欧オスロのコーヒー巡り|焼き菓子も充実
かわいいタイル張りのカウンターにはフードメニューも充実|筆者撮影(2024年6月)


第2位|FUGLEN


 1963年にエスプレッソとカクテルバーとして開店した、オスロを代表する老舗のエスプレッソバー FUGLEN も堂々のランクイン。

北欧オスロのコーヒー巡り|ダブルラテ
少し厚みがあり背の高いグラスで提供|筆者撮影(2024年6月)


 注文したのは、ダブルラテ。エスプレッソの旨みと、甘くないミルクのバランスが良く、あっさりしていて何杯でも飲めそうな味わいです。

 同店はオスロで確立された浅煎り焙煎(ノルディックロースト)を得意とし、果実のような風味や花のような香り、透明感のある甘い後味を感じられるコーヒーを提供しています。

北欧オスロのコーヒー巡り|渡り鳥のロゴの看板
テラスと店内をあわせて20席ほどの本店|筆者撮影(2024年6月)

 店名の FUGLEN はノルウェー語で鳥を意味し、ロゴに描かれている鳥はオスロの港で見かける世界最長距離を飛ぶアジサシという渡り鳥です。

 アジサシと同じように世界の港町に立ち寄り、その土地の良いエネルギーを吸収して、さらに次の土地へと旅をする渡り鳥のように生きて行きたいという思いが込められているそうです(同店HPより)。

 その店名の通り、現在はオスロの本店の他に、ニューヨークと東京にも展開して人気店となっています。

北欧オスロのコーヒー巡り|レトロなインテリア
店内装飾は100%ノルウェーのヴィンテージデザインを使用|筆者撮影(2024年6月)


第3位|DFDS


 北欧各国を豪華客船で結んでいる国際船舶 DFDS のレストランで提供されるコーヒーが、予想に反してランクイン。

 どこか懐かしい「やかんの麦茶」のような焙煎香も感じられる、すっきりとしているのに味わい深いコーヒーで、朝から何杯でもゴクゴク飲めてしまうボリューム感です。

北欧オスロのコーヒー巡り|豪華客船のモーニング
まだ寝ぼけていたのか、窓からの景色が美しすぎたのか。
コーヒーだけの写真を撮り忘れました|筆者撮影(2024年6月)


 顧客ごとに保温性抜群のポットで提供してくれるのも嬉しいポイント。
筆者はコペンハーゲンとオスロの往復に DFDS を利用し、朝食はルームサービスも選べるのですが、このコーヒーに誘われて2回ともレストランに行ってしまいました。

 なおこのコーヒーが飲める DFDS の朝食レストランは、コモドア(特級船室)利用者限定になります。DFDS のコモドアについては、こちらの記事で紹介しています。


第4位|Solberg & Hansen Concept Store


 ノルウェーのスペシャリティコーヒー業界の最大手、かつ1879年創業の最古の老舗ロースター Solberg & Hansen のフラッグシップストアが第4位にランクイン。

北欧オスロのコーヒー巡り|シングルエスプレッソ
カフェインの摂りすぎ防止のためシングルで|筆者撮影(2024年6月)


 注文したのは、エスプレッソ。もう何杯目か分からないカフェ巡り日の終盤に、酸っぱくないのに酸味が効いてる味わいがマッチ。

 味の個性は個店に比べると大型店特有のベタな感じは否めないものの、それでもオスロのコーヒー文化のレベルの高さを感じる一杯でした。

北欧オスロのコーヒー巡り|カフェのカウンター
オペレーションの効率が良さそうなカウンター|筆者撮影(2024年6月)
北欧オスロのコーヒー巡り|大きな窓のカフェ
店内はソファとカウンターを合わせて30席程|筆者撮影(2024年6月)


 また同店はサステイナビリティとフェアトレードにも早くから取り組み、世界中の農家から高品質のコーヒーを直接買い付ける取り組みをはじめ、バリューチェーン全体を通じた改善に取り組んでいます。


第5位|N'cm Cafe


 オスロ国立美術館 N'cm の2階にあるカフェが、またまた予想に反してランクイン。さすがは珈琲大国のオスロで、公共施設のカフェのコーヒーもきちんと美味しかったです。

北欧オスロのコーヒー巡り|美術館のコーヒーもおいしかった
普段はあまり食べないお菓子も美味しかった|筆者撮影(2024年6月)


 注文したのは、ドリップコーヒー。日本人の好みにあいそうな、優しく香るクリアな味わいの浅煎りコーヒー。

 インテリアも素晴らしく、座り心地のいいチェアに、大きな窓から眺める歴史ある建物と抜ける海が、気分を盛り上げてくれます。

北欧オスロのコーヒー巡り|インテリが素晴らしい美術館のカフェ
こんな空間で1日ゆっくり過ごしてみたい|筆者撮影(2024年6月)


 なおこちらのカフェは美術館のゲート内にあるためチケットの購入が必要です。また午後からは満席が続くため、ゆっくり楽しむには午前中の訪問がおすすめです。



 筆者が代表を務める株式会社フードピクトでは、ガストロノミーツーリズムやインバウンド対応に取り組んでいる観光・宿泊・飲食事業者に向けて、より良い食体験を届けるための事例集を毎年刊行しています。

 最新刊の事例集「Inclusive & Regenerative Gastronomy」は、2024年8月に書籍とPDFで販売予定です。書籍は資源保護のため初版100冊のみとなりますので、お早めにご予約・ご購入ください。

 なお2023年度の事例集「Expolore the Future of Food」は、引き続きPDF版で提供しています(書籍は完売しました)。

 また本事例集に関する講演や寄稿のご依頼にも対応しています。これまでの実績はプロフィールに記載していますので、あわせてご覧ください。


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