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カンボジア無形文化財の今!?

カンボジアの世界遺産といえば、アンコールワット。

ユネスコ世界遺産が建築物などの有形文化財の保護を目的としているのに対し、昔から守り伝えられてきた伝統の「技」に与えられる無形文化財というものがある。

日本だと『能楽』や『人形浄瑠璃』、そして『日本食』などだ。

カンボジアにも、ユネスコ無形文化財に二つ認定されている。
ひとつは、『王宮古典舞踊』。

アプサラダンスとも呼ばれ、観光地のホテルやレストランで食事を楽しみながら観ることができる。

そして、もうひとつが、スバエクトムと呼ばれる『影絵芝居』だ。

以前は、プノンペンでもソバンナプーム(Sovanna Phum)という団体の劇場で影絵芝居を見ることができた。

しかし、観光エリアから、かなり外れた住宅街にある劇場。
コロナ以前から、観光客が来ず存続の危機が叫ばれていた。

無形文化財なのに、存続の危機なのである。

観光客が激減したプノンペンで、いまだに存続しているのだろうか?
とあるプロジェクトのために、連絡を取ってみた。

しかし、なかなか連絡が取れない。
以前、劇場があったところへ行ってみても、もぬけの空。

もしかしたら、もうなくなってしまったのだろうか?
カンボジアの無形文化財なのに・・・。

根気強く連絡先を探してみると、国立カンボジア美術高校(SECONDARY SCHOOL OF FINE AETS)の中で活動しているという。

私は、カンボジアに、高校生向けにクメール伝統芸術や現代芸術の国立の教育機関があるということを知らなかった。

ちょっと、感動。

ソバンナプームは現在、この学校で子どもたちにスバエクトムの影絵技術の継承をしながら、活動しているようだ。

学内には立派な劇場設備もあり、スバエクトムの舞台を準備している。

現在は観光客はいなくなり、現在は公演活動などは行っていないが、国営テレビに放送用などの活動を行なっているらしい。

影絵人形も大きいものは、1.6m×1.0m。
実際見ても、迫力もあり、美しい。

実際に、影を当てるとこんな感じ。
ソバンナプーム演出家で、影絵作家のコサールさん自ら、光を当てて説明してくれる。

こんな感じで動かす。

スバエクトムの影絵人形は、牛皮で作られている。

オーダーメイドで制作も請け負っており、10枚程度でも1ヶ月以内に作り上げてくれるという。
コサールさん含め、熟練の技師が制作している。

スバエクトムの演目は、通常ヒンドゥー教のラーマーヤナを描いた大長編叙事詩だ。

しかし、それ以外のデザインでも作ることができるらしい。

とあるプロジェクトのために、情報は収集できた。
この後、クライアント(?)にプレゼンテーションして、ソバンナプームとコラボレーションできたら嬉しい。


12月16日、追記
AEON MALLプノンペン3号店がオープンした。

とあるプロジェクトとは、新しくできたAEON MALLのエスカレータースペースの壁をデコレーションするプロジェクト。

かなり良い感じでレイアウトできたんじゃないかと思う。
我ながら、自画自賛(笑)

是非、プノンペンにお越しの際は、足を伸ばしてみてください。

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