海外しっぱい雑記『英語コンプレックス』

stand.fm

ここだけの話、英語を話すのに自信を持てない。
英語コンプレックスだ。

『英語を話せなくても海外挑戦はできる！！！！！』
と、学生時代に信じていた。いつか成功した暁には、同じことを若い人にも伝えよう、と図々しくも思っていた。

実際には、そりゃ英語が話せなくても挑戦はできる。しかし、成功は難しいし、決してどうにかはならない。英語は本当にちゃんと勉強しないと話せるようにはならないのだ。

僕は大学卒業した後に、英国・ロンドンにあるC.H.A.S.Eスタジオというアニメーション会社で3年ほど働いていた。英国の会社に入れた理由は、本当に数奇な運命というか、不思議なご縁というか、その辺の話は複雑でなのでまたの機会に書けたらと思う。

何はともあれ、ほぼ英語を話すことができないままでの渡英だった。

僕は浪人生活を送っているのだが、現役時代に名古屋芸術大学の学科の英語の試験が最低30点ないと足切りのところ、27点で不合格で浪人生活に突入した。周りの話によると、試験は決して難しいものではなかったらしい。

英語ができないことは百歩譲って、仕方ない。しかし、そんな程度の英語レベルの人間が『卒業後はヨーロッパで仕事をしたい！』と、真剣に思っていたのだから、我ながら頭がおかしい。なぜ、当時の私はどうにかなると思えていたのだろうか？不思議でならない。

実際に英語が話せないまま、仕事の現場に入るとどうなるのか？

それはもう、本当にのたうち回るほど苦しむし、どうにもならない。恥ずかしいことも、悔しいことも、泣きたいことも、山ほどあった。せっかくのチャンスを知らず知らずに逃していたことが、たくさんあったのであろう。

英国時代の私を知る人曰く、笑顔があまりなかったらしい。無表情だ。
実際、英国時代は苦しくて苦しくて、楽しいと思えたことは事はほとんどなかった。

もちろん英国に行ってから、英語の勉強はした。教科書を買ったり、家庭教師を頼んだり、友達もいなかったので本屋で知り合ったおじさんと英語で話をしたくてお宅へお邪魔して、危うく貞操の危機だってあった。

同僚との飲み会には、アルコールが弱いのに必ず参加した。黙って聞いているのが精一杯。酒も弱いくて、英語も話せないのに毎回着いてくる。同僚にも、随分と気を遣わせていたことだろう。気味悪がっていたかもしれない(笑)

それでもなかなか英語力は伸びない。

しかし学生ではなかった私には、時間がなかった。契約は毎年一年契約。仕事で結果を残さなければ、契約の打ち切りだ。言ってみればクビになる。

英語をマスターするためにだけ使う時間は、その時の私にはなかった。

そんな切迫詰まった状態になると、一体どうになるのか？？
それは『英語を話せないこと』を武器にするようになるのだ。これが諸刃の剣。

周りが気の毒がって、助けてもらうことを武器にしたのだ。

英語はろくに話せないけど、俺は日本人の感性を持っているんだとアピールした。そのアニメーション会社には日本人は私しかいなかったので、(初期にはもう2名いたが、色々あって日本へ早々と帰っていなくなっていた。)浮世絵や和柄は研究して、自分にしかできなさそうなことを探した。

そして、英語が話せないので、絵コンテはかなり丁寧に作り込んだ。英語を話す代わりに、ビジュアルでコミュニケーションを取る方を選んだのだ。
そして、英語が話せないけど、夜中まで必死に働いた。もう働いている方が楽だったのかもしれない。

英語は話せないけど・・・、という部分を武器にして、周りの優しさに漬け込んで、同情を誘って、どうにかこうにか足掻いてみせた。(それでも二度ほどクビにはなりかけるw)

3年が経ち、英国を去る際に直属のボスから『お前は英語は伸びなかったが、アルコールは強くなったな！』と言われた。

結局、英語はイマイチなままだったのだ。

そんなこんなで2カ国目の海外。カンボジアに住み出して9年。私は懲りずに、全くカンボジアの言語であるクメール語が話せていない。自慢にはならないが、本当に全く話せないのだ。

相変わらず、たくさんの周りに助けられて、どうにかこうにかやっている。
今も、せっかくのチャンスを知らず知らずに逃していることが、たくさんあるのであろう。

こんな私だが、最近でも密かにオンライン英会話レアジョブや、CMでお馴染みのスタディサプリなどに挑戦しては、三日坊主を続けている。英国で仕事をした経験があるのに、今更ド定番の英語学習をやっていることが恥ずかしくて内緒にしてきた。しかし、ここでカミングアウトしたい。。。そしてここに宣言しよう！

今年こそ、英語を話せるようになろう！！と。

皆さんはこうならないように、言語はちゃんと勉強しましょう。

でも本当に周りの人々には助けられたばかり、感謝ばかりだ。
ありがとうございます。