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エッセイ『ドラえもんがいる世界へようこそ』

「あんなこといいな、できたらいいな、あんな夢こんな夢いっぱいあるけど~
みんなみんなみんなできるわけがない、現実的な選択肢持とう♩~」

何かを得るために、何かを捨てろ。とか、今やるべきこと1つに絞れ、集中しろとか。

僕の周りにいた厳しい目をした大人達は、そんなことを言っていた気がする。別に間違ってないと思うし、正論だと思う。だけど、夢がない。つまらない。助けてドラえも~ん!

・・・ああ、もういたのね、ドラえもん。僕の頭の中に。


自分のやりたいことに対して徹底的にわがままになり出したら、ドラえもんが頭の中に住み始めた。ちょっと頼りないドラえもんが。

僕がのび太のように泣き言を言うと、決まってポッケから秘密道具を取り出す仕草をしてこういう。

(効果音)デッデレ~♪「 ゼンブヤレバイイジャン~」
ドラえもんは誇らしげに僕の方を向いている。いつものように空に投げ出された丸い手には、何も握られていない。いつものやつ。はあ、たく、しょうがないな~。

僕はドラえもんに対して、呆れた顔でいう
「秘密道具はどうしたの?」

そう僕が呟くと、ドラえもんは少し照れながら、こう返す
「22世紀に忘れてきちゃった・・・、だから・・・ね?」

僕は、慣れた顔で分かったよと返し、ドラえもんと共に秘密道具の開発に勤しむのだ。
ね、なんだか頼りないでしょ。道具を持ってないドラえもんなんて。でも、それでいい。どうせ、一緒に作るから。みんなみんな叶えてくれる、秘密道具という名のアイデアを。


ドラえもんとの生活が始まってから、たくさんの秘密道具を作ってきた。ときには周りの友達にも手伝ってもらったりした。その中にはヘンテコなもの使えるものもたくさんあったと思う。だけど、なんの道具も作れないなんてことはなくて、必ず何かしらの道具は完成するのだ。それが使えるかどうかは本番でのお楽しみ。使えなかったらまた改造するのみ。DIY精神たくましい僕とドラえもんなのだ。


2年ほど前から住み始めたドラえもんのおかげで、僕の生活は楽しくなった。やりたいことをやらないという選択肢がなくなった。やりたいことは全部やっちゃう。すごくマイペースにだけど。今現在で言えば、絵も描きたいし、音楽もしたい。文章も描きたいし、漫画も描きたい。他にもやりたいことは腐るほどある。今後もやりたいことはたくさん増えて行くと思う。

僕は、また新しくやりたいことができるたびに、ドラえもんを呼び出すはずだ。


もし、あなたもドラえもんが欲しいと思ったのなら、ドラえもんを呼び込む方法を特別に教えよう。覚えたら、秘密のポッケにでも隠しといて欲しい。

それは徹底的にわがままになることだ。自分のやりたいことに対して。やりたくないこと、めんどくさいと思うことに対して。

例えば、やりたいこと3つの選択肢で迷っているとき、それはドラえもんを呼ぶチャンスだ。ドラえもんを呼ぶには、3つを同時に叶える方法がないか考えるといい。そうすれば自然と、楽天的なドラえもんが隣にひっそりと座っていることに気づくはずだ。

道具は何も出してくれないけど「まあなんとかなるよ~」とか、「とりあえずやってみたら?」とか適当なことを言ってくれる。どら焼きを食いながら。

そんなドラえもんにイライラしながらも、ハッと秘密道具が閃くことがある。僕の経験上必ずと言ってもいいほど、何かしらの秘密道具は浮かぶ。

だから、騙されたと思って徹底的にわがままになってみて欲しい。不思議なポッケを持った青いやつは案外みんなの頭の中にいるよ。そして、ドラえもんとの生活は楽しいと思ってもらえるはずだ。

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