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小酒井不木に触れて.1

小酒井不木先生の作品を読むことが去年からマイブームの為、そのお話を。
※本記事はネタバレを含みます

作品との出会い


私が初めて先生の作品に触れたのは2022年夏頃のこと。
趣味でやっていた朗読の作品に「死体蝋燭」を選んだのが始まりだ。
一緒に朗読をしている知り合いが、青空文庫作品のまとめ記事から探してきてくれたのだ。

青空文庫へのリンク

私の朗読のリンク

「寺で嵐の夜に行われる、和尚から小坊主への怖い話」といった内容の本作品、
暗く蒸し暑く、不快な夜の大気
蠟燭の揺れる灯に照らし出される、寺の仏具や大仏の物々しさ
そして何より和尚から語られる内容の悍ましさ!

これら描写されているどれもが、本当に好ましく、すっかり虜になってしまった。


特に好きな箇所は、和尚が小坊主にお前も蝋燭となってくれ!と詰め寄る部分だ。

何から何までたまらない。

恐ろしい内容だからこそだろうか、和尚が特別な蝋燭に堕ちてゆく怪しい描写には”怖いもの見たさ”の魅力がある。
聞かない方がいいもの、後悔すると分かっているものを知ろうとする心の動き、一種のときめきを私は感じた。
元来、私は知的好奇心や知識欲が強い人間であるから、先生の作品に魅了されるのはある意味必然だったのだろう。


趣味を同じくする友人にも、この回の朗読は大変褒められた。
まだまだ荒い箇所は多々あるが、聞いて頂ければ、この作品の良さ、そして私がどれだけこの作品を楽しんだかが分かってもらえる…と思う。


この記事が、先生の作品に興味を持ってもらえるきっかけになったならば、私はとても嬉しい。
どうか、同好の志に先生の名前を知り、素晴らしい読書体験をして欲しいと思う。

青空文庫の小酒井不木作品のリンク代表作の「人工心臓」「恋愛曲線」等あり

蟹江町の現代語訳版作品のリンク、青空文庫よりもやや推理に重きを置いた作品の多い印象。蟹江が舞台の「通夜の人々」等あり。

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