文章を書くということ

ゆっくりと海に沈むように、
わたしは言葉と向い合わせでいたい。
言葉を見つめ、言葉に見つめられていたい。
呼吸音が聞こえるほど、すぐ近くで。

文字の羅列に乗っかって、
自分の内側に潜っていく作業。
わたしを、わたしたらしめる時間。

誰かのために話をすることでなく、
わたしの内側に漂う
鉱物や、羽根や綺麗な水を
栞で挟んで留めていく。
ただ、わたしがわたしのために。
生きているという心地のために。

憧れた世界がここでなくとも、
明日がきらびやかでなくとも、
誰かの物語を横目に見ていても、
わたしがわたしを生きる意味を
少しでも見付けられるように。

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