アナロジー思考とメタ認知能力と例えツッコミとメモの魔力
ビジネスマンとしてかっこいい大人・すごい人・優秀だと思える人が持っているものは何だろうか、と思いその人たちの凄さやスキルを言語化しようとすると「アナロジー思考」「メタ認知能力」などのキーワードに行き着いた。
「アナロジー思考」は類推力、「メタ認知能力」は抽象化力なんて言われたりするが、ここでは自分なりの解釈を加えながら、それらがどんなスキルでどういうときに有効かをツラツラと書こうと思う。
もう少し、それぞれのスキルをかみ砕くと、
「アナロジー思考」は、1つの事象で起きた現象を、似たような別の事象でも起きうるものとして類推することであり、
「メタ認知」は、1つの事象をより抽象度の高い主題によってとらえなおすことである。
この2つのスキルは2つで1つだと僕は思っている。
まだわかりにくいので、具体例を用いると、
リンゴが落ちた、という現象を見て”F=ma”という法則で捉えなおすことを「メタ認知」、その法則をもってミカンも落ちるということ、さらにどう落ちるかを推測することが「アナロジー思考」である。
「アナロジー思考」も「メタ認知」も人間は自然と行っている作業であるとは思うが、どれだけ意識的に行えているか、どれだけ精度高く行えているかなどは人によって大きく差異があると感じる。
表題にある、”例えツッコミ”や”メモの魔力”もこれらの能力と関係性があると思っているので、その点について書いてみる。
有名な"例えツッコミ"に、フットボールアワー後藤さんの「高低差ありすぎて耳キーンなるわ」というものがある。
これは、ロンドンハーツという番組の『奇跡の一枚』という企画で芸人のたんぽぽの2人が写真によって普段とはかけ離れた美人になっていた時に放たれたツッコミである。
つまり、ブス⇔美人という変化を、飛行機での地上⇔空中での高低差に置き換え、そこでの現象の耳キーンをアナロジー的に引用してきているわけである。
これを瞬発的に、誰でもわかる引用によって例えるのは、普段からあらゆる現象に目を光らせ、メタ化して捉えなおし、アナロジー的に別の減少に応用するクセがついているのだと思う。※もちろん、いちいちこんな理屈を考えず、自然にやられているのだとは思うが。
最近よくテレビにも出ている前田裕二さんの著書"メモの魔力"は、この能力を普段から使うクセをつけることを提唱している本であると僕は考えている。
本書では、メモの取り方として
①インプットした「ファクト」をもとに、
②気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、
③自らのアクションに「転用」する。
と書かれている。
この②の作業はまさに「メタ認知」だし、③はまさに「アナロジー思考」だと思う。
つまり、"メモ"という手段によって「メタ認知」「アナロジー思考」を日常的に使用し、日常でのすべての出来事を自分ごとに転用することを推奨しているのだと思う。
これは、まさに「メタ認知」「アナロジー思考」を使いこなせるメリットの一つだと思っていて、全ての活動や気づきを学びに変えることができるし、同じ生活をしていてもアウトプットの質が全然変わってくると思う。
例えば、同じ”映画を見て泣いた”という体験をしていたとしても、「メタ認知」「アナロジー思考」を使いこなせていれば、”人はこういう時に心を動かされる”という気づきに捉えなおすことができ、その法則を普段の営業での口説き方に応用するなんてことができる、わけである。
これが24時間365日において差があるとすれば、すさまじい結果の差になるし、どんなインプットよりもまずはこのハードスキルを学ぶべきとすら思う。
他にもいろんなメリットがあって、まずこれらのスキルが高い人はコミュニケーションに優れていると思う。伝えたいメッセージがあったときに、相手のレベルに合わせて具体化して提供できるし、逆に多職種・他業種の人のメッセージでも抽象化して自分ごとに落とし込むことができる。
アナロジー思考を使って、アイデアを量産することもできるし、議論が行き詰ったときに別の事象の法則を転用してくることもできる。
また、今まで蓄積してきた「メタ認知」による物事の法則性をどれだけ手札として自分の中に内包できているか、「アナロジー思考」により目の前の議論や会話に応用できるか、がその人の深さ・広さを形作るので、それが深いほど広いほど優秀だと感じるのだと思う。
さらに「メタ認知」は突き詰めれば突き詰めるほど、シンプルで無駄がない原理原則に従ったものになっていくと思う。世の中に多くあるフレームワークと呼ばれるようなものがそれである。
自分も、自分なりの世の中に対する法則やフレームワークをたくさん内包していきたいと思う。そのためには、最低限の「アナロジー思考」「メタ認知能力」のスキルを持ったうえで、膨大なインプットをしていくことが重要なんだろうと考えている。
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