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現代の最強の武器! SNSを使った地方創生策

少子高齢社会の影響で、大都市圏人口集中、地方の過疎化が問題になっている現在、地方創生が日本社会において重大な役割を持つことは明らかで、急務とされています。今回はSNSの力を使って地方創生を成功させた、神奈川県三浦郡葉山町にクローズアップして、地方創生のための有効的なSNS利用方法についてご紹介します。

地方創生とは

地方創生は、簡潔にいうと地方への人の流入を促進させる取り組みであり、その地方の魅力を発信することが重要となります。そこで、情報発信の際に大きな力を持つSNSを頼ることが言わずもがな、成功のための大切な鍵となります。
地方創生の詳しい定義については、下記をご覧ください。

地方創生は、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的としています。このため、UIJターンによる地方への移住・定着を促進する取組、関係人口など地域とつながるひとや企業を増やす取組、結婚・出産・子育ての支援、Society5.0等新しい時代の流れを力にする取組、女性が活躍できる地域社会の実現に向けた取組など様々な取組を進めています。また、今般の新型コロナウイルス感染症に伴うテレワークなどの経験による、国民の皆様の意識・行動等の変化を踏まえながら、感染症の克服と経済活性化の両立の視点を取り入れながら取組を進めていきます。

https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/COVID-19/policy/regionalrevitalization.html


葉山町のSNSを活用した地方創生

神奈川県の湘南エリアの鎌倉や逗子の近隣に位置する葉山町は、人口の緩やかな減少と急激な高齢化が町の課題であり、SNSを活用することによって課題の克服を目指し、地方創生に取り組みました。そこで、葉山町は移住推進を目標に挙げ、Instagramアカウントを2015年に開設。街の広報担当者はインタビューで、葉山町の当時の現状についてこう述べています。

葉山町では人口のゆるやかな減少と急激な高齢化が課題になっており、町の広報に求められる役割の一つに、移住と定住の促進がある。「葉山町には高校や大学がなく、就職先も限られるため、10代20代の人が町を出るのは止められない。そうした人にも出産・子育てや転職を機に町へ戻る選択肢を持ってもらえるように、町の魅力を伝えようと考えた」

https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/434167/041800105/

そこで、近隣の鎌倉や逗子への移住に興味のある人々に向けて効果的にPRできるよう、葉山町の海や緑などの自然をメインに、街の景観の美しさをアピールできる写真を投稿して、2022年8月9日現在、37,659人のフォロワーを獲得。

森戸大明神 富士に沈むサンセット


葉山町の3つのInstagram運用戦略

葉山町のInstagramは、ただ葉山町の景観の美しさを投稿したことで、フォロワーを獲得したのではなく、戦略を立て、SNSの特性を生かしつつ、リアルの世界も大切にしながら運用したことに成功のポイントが詰まっています。


◆SNSの強み”即時性や双方向性”への対応
自治体という行政機関である以上、慎重な情報発信が通常では求められるため、SNSの強みである即時性を潰してしまうことがしばしば見受けられ、SNS戦略を立てる上での課題となっています。
そこで、葉山町は最低限のルールを定めて、個人の裁量で投稿するかどうかを検討できるようにして、行政機関の即時性への壁を超えていったのです。双方向性に関しても同様に、ダイレクトメッセージでの質問に答えたり、
#葉山や位置情報がついている投稿にいいねをしたりなどユーザーに対し柔軟にリアクションを行うことで親近感を持ってもらうことを狙い、実際にフォロワー数の増加に繋げられています。


オフ会での交流
また、葉山町ではオフラインの繋がりも持つために、定期的にオフ会の開催をしています。オフ会では、Instagramを使った有効的なPRのために、フォロワーや#葉山歩きなどを投稿につけているユーザーにダイレクトメッセージ機能でコンタクトを取り、そのユーザーらを講師に迎えて、写真の撮り方のコツや、葉山の広めるべきの良いところなどを町民たちに学んでもらうきっかけづくりをしています。こうした交流を通じて、職員に対してフランクなイメージも与えることができ、投稿の文面をタメ口に改めてみたところ、話題を集めることになりました。
また、ユーザーとの交流でニーズを探ることはもちろん、その他の課題解決のための会としても、大いに役に立っているそうです。
以下、担当者インタビュー。

オフ会は、交流はもちろんですが、1つの課題をみなさんと一緒に解決するということを目的に開催しています。これまで5回催しましたが、5回目では#葉山歩きの写真をまとめた「HAYAMA NOTE」の2冊目を制作するにあたり、アイディアを募りました。特に参考になったのは、サイズです。“葉山歩き”というだけあって持ち歩きやすいサイズがいいという意見が多く寄せられました。

https://fin.miraiteiban.jp/hayama/

このように、ユーザーの生の声を取り入れていることをインタビューで明かしています。また、文中にある「HAYAMA NOTE」は、Instagrmで投稿された写真を抜粋してまとめているノートであり、葉山町の魅力をユーザーの写真を使って作成している点が、ユーザーの葉山町に対するロイヤリティも創出できていると考えられます。また、葉山町での生活を想像できるような写真の選定を抜かりなく行うことで、将来の移住者増加をしっかりと狙った施策となりました。

公式Instagram(@hayama_official) よりオフ会の様子
HAYAMA NOTE


◆インサイトの注視
Instagramのいいね数・保存数・外部リーチ数などが数値ではっきりと分かるインサイトを注視することは、SNSマーケティングをする上で必須の要素となりますが、上手く実行できていない自治体が多くみられるのが現状です。しかし、葉山町は、インサイト分析の重要性を理解し、人々のニーズはどこにあるのかを日々考察しています。実際に分析したところ、海や夕日の写真が人気で数値が高いことが判明し、そうしたニーズに合わせた写真を多く投稿している様子が公式Instagramからうかがえます。インサイト分析を実行できていない自治体が多いからこそ、ここで他と差をつけられるチャンスにもなるので、地方創生のSNS施策の成功がインサイトの注視で決まると言っても過言ではなく、力を入れるべきポイントです。

公式Instagramアカウント(@hayama_official)一部投稿写真


葉山町はこうしたSNSを積極的に用いた施策で、課題解決を図りました。結果的に、Instagramアカウントを開設した2015年度には、人口増減がプラスに転じており、県外への転出数が減少しているため、成功したと言えるでしょう。

おわりに

今回は地方創生とSNSの関係性について、葉山町の成功事例を挙げながら、ご紹介しました。地方創生で、どの取り組みを積極的に行っていきたいかは、自治体によって異なるので、一概にどの施策が有効的かを挙げることは難しいと考えられます。ですが、SNSを活用すれば不特定多数に情報を届けられるので、話題を集めることが容易にでき、特に若者の利用者が多いので、そこで注目を集められれば、近年、大きく取り上げられている地方の高齢化の課題にも対応できると考えられます。

つまりは、SNSを地方創生含む現代社会の課題に、積極的にアプローチできるツールとして活用していくことが、問題解決の鍵となるのです!


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株式会社エイチジェイ SNSマーケティング事業部 栁澤智佳


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