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私が感じているハンドメイドの『価値』

昨年の今頃、私は娘の小学校入学に必要なバッグ類を作るための準備を始めていた。お道具袋、ブックバッグ、シューズ入れ2種、体操服入れ、コップ入れにマスク入れ…なかなかの数だった(笑)

それでも自分で作りたかった訳

元々、手作りをするのが好きで、大学でも家庭科の教職課程を取っていた為裁縫の基本は身に付いていたし、ミシンも持っていた。

裁縫自体に抵抗はない訳だが、仕事と家事に追われる生活の中、もう一つやる事が増えるというのはとても大変な事だった。でも私は『睡眠時間を削って、少しずつ作ろう!』と決めていた。

それはやはり、娘が楽しみにしていたからだ。『ママが作ってくれるの?嬉しい!どんな絵がついてる布にしようかな~?ハートとかぁ、スターとかぁ♪』とワクワクしているのが伝わってきた。

離婚してからというもの、生活するのに精一杯で娘の為に何かをしてあげる、という事が本当に難しかった。娘もわがままは言わなかった。

だからこそ、娘の希望を聞きながら生地を選び、紐を選び、ワッペンを選んで一緒に入学準備を進めた。

ママ友のひと言

入学説明会の日、ママ友達の間でバッグ類はもう準備したか?という話になった。私が『自分で作るから、今準備している。』と言うと、とても驚かれた。

『え!作るって…買った方が早くない?可愛いのあるし。』『ハンドメイドが良いんなら、私の友達やってるよ!安くしてくれるから紹介しようか?』

私はそんな反応が返ってくるとは思わず、固まってしまった。自分で作る人はかなり少ないらしい。

そういう事じゃないんだな

もちろん、買った方が早いし安い(笑)そんな事は私も分かっている。だって何でもそうだから。

だけど、自分で何かを作った事がある人なら分かるはずだ。娘が感じていた様な、作る前のワクワク。徐々に形になっていく時の嬉しさ。出来上がった時の達成感。それを使って感じる愛着。

服でもバッグでも音楽でも料理でも、私は自分の中から出てくる何かを形にする喜びを知っている。だからこそ、手間と時間をかけて自分で創作するのだ。

出来上がったそれは何ものにも変えがたい。そして、やらなければ味わえないあの感情。娘にも「それ」を教えたかった。

「それ」こそがハンドメイドの価値だと、私は思っている。

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