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詩集「縷縷」

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2021年10月の記事一覧

境界線

境界線

足が
地面に沈み込む夜。
足下に
影をつくらない星月夜。
熱のこもったからだが
世界でたったひとりの
(わたし)
という存在。

「もしもし、
 今日見た夢の話を聞いて。」
町。
灯りも人の気配もなくて、
いつもの地面も不確かで、
滑るように
流れるように
辿り着いた
あなたの家の前。
そこに、
月が
光る。
最上階の角部屋。
私の心の拠り所。
この世界で
たったひとつの光

じっと見上げていた

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