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詩集「縷縷」

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2021年6月の記事一覧

青い果実

青い果実

「事実」

早とちりしてむしりとった青い果実の味。
いつまでもいつまでも口の中に渋く残る。
幼い頃の珈琲の苦味よりずっと不愉快に。
そうして虚ろな表情で
彼女はそれを噛みつぶす。
そうしてつぶれた塊は、彼女の細い喉を通る。

いつまでもいつまでも噛みつぶす。
いつまでもいつまでも飲み込んでいる。

それでも腹は満たされず、後悔ばかり満ち満ちて
あの頃の珈琲の味を懐かしむ。
気づいた時にはもう遅く、

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