海を渡った大将たち。人気シリーズ「Omakase」で学ぶ、寿司のスゴさと国際化
日本にはたくさんの素晴らしい文化があります。なかでも和食は最高ですよね。
寿司や天ぷらが美味しいことは誰でも知っていますが、
その裏に長い伝統や多大な努力あること、世界で活躍している数多くの料理人がいることを意識している人は少ないのではないでしょうか。
実は、YouTubeにはこの国の食文化を超ハイクオリティに発信してくれているシリーズがあります。
その名も、Omakase (おまかせ)。
Omakase: The Seriesとは
板前さんたちは基本的に日本語で話すので、英語がわからなくても全く問題なし!というのも嬉しいポイント。
40以上の動画がアップロードされているなか、僕のお気に入りエピソード8つを紹介します!
sushi AMANE|宇井野詩音さん
ニューヨーク・マンハッタンのsushi AMANEは、オープンから3ヶ月でミシュラン一つ星を獲得(その後現在まで3年間キープ)という史上最速記録を打ち立てました。
当時まだ27歳だった大将の宇井野詩音さんは、赤坂の名門店「鮨さいとう」に18歳で弟子入りし、大将の斎藤さんが客前で握ることをはじめて許したゴールデンボーイでもあります。
天才と称されながらも奢ることなく真摯に寿司と向き合う姿がかっこいいですね。故郷・天草の話も織り交ぜながら「おまかせ」を握ってくれます。
Sushi Sho|中澤圭二さん
「寿司職人には心・技・空(空間づくり)が重要」と語る中澤圭二さんは「寿司職人が一番尊敬する寿司職人」に選ばれ、多くの一流職人を育ててきたレジェンドです。
そんな中澤さんは2016年に大きな決断をしました。長年大将を努めた東京・四谷のミシュラン店「すし匠」を後進に託し、ハワイに移住。Sushi Shoをオープンするのです。
家族と呼ぶほど信頼する弟子たちと、高級魚「モイ」や珍しい「フィンガーライム」等ハワイの食材にこだわった珠玉のおまかせコース。日本が誇る寿司職人の哲学と新たな挑戦をご覧ください。
Shoji|デレク・ウィルコックスさん
いまやスタバより寿司屋のほうが多いといわれるニューヨーク。デレク・ウィルコックスさんさんは、その中でも際立った存在です。
地元アメリカの名門調理学校を卒業し、単身来日。その後は超名店「菊乃井」「吉兆」「鮨青木」などで計10年修行を積み、念願のShojiをオープンしました。同店はニューヨーク・タイムズ誌の「2018年に開店したレストランベスト10」にも選ばれています。
「情熱がないと一流の日本料理は作れない。一日18時間働くことは当たり前。僕はやめたくてもやめられなかったよ。」と語るデレクさんは、真の職人ですね。彼はニューヨークでも日本の伝統的な味を愚直に貫いています。
サムネイルにもなっているタコの煮物はマジで美味しそう…!
Hamasaku|タカハシ・ヨウヤさん
タカハシ・ヨウヤさん。南海岸らしいリラックスした雰囲気と極上の海鮮料理がウリの人気店、Hamasakuの大将です。
彼のおまかせは甘鯛が主役。地元・京都の名産ということもあり、わざわざロサンゼルスまで取り寄せて使うほどの思い入れがあります。
もともと俳優を目指していたこともあり「スターウォーズ」や「トワイライト」など、映画にちなんだ寿司ロールも名物。あのスピルバーグ監督も来店したことがあるとか。
タカハシさんのユーモアあふれるキャラと繊細な技術のギャップには不思議な魅力があります。
ぜひ動画を見て確かめてください!
KOSAKA|向坂嘉彦さん
向坂嘉彦さんは古巣「Jewel Bako」と自身の名を冠した「KOSAKA」で、ニューヨークで10年連続のミシュラン一つ星を獲得しました。食通でない僕でも、それが並大抵のことではないとわかります。
KOSAKAの真髄は、日本各地から選びぬいた新鮮な魚とサンディエゴ産伊勢海老を使った芸術的おまかせ。もはや見るだけでも幸せになれます…!
大好物のオムライスを作りながら「小さい頃は洋食のシェフになりたかった。修行中の寿司屋から逃亡したこともあります。」と気さくに話す向坂さんのストーリーも見どころですよ。
Maru Sushi|川崎武司さん
ミシュランを獲った北海道「○鮨」を息子さんに引き継ぎ、ハワイでMaru Sushiを開店した川崎武司さん。
「引退も考えたが、まだ寿司を握りたい」という彼のおまかせには一切妥協がありません。温かい人柄も相まって、ハイエンドながらアットホームなお寿司屋さんという雰囲気です。
18歳まで包丁を握らせなかったという息子さんが立派に店を守っていることについて、秘めた思いも語ってくれます。(息子さんもミシュランを獲ったそうです!)
Sushi Note|斎藤公信さん
シックな内装と額縁に入った楽譜(ノート)。Sushi Noteはロサンゼルスに数ある寿司屋の中でも異彩を放っています。大将は「寿司づくりとジャズは似ている」と語る斎藤公信さん。30年以上現地で寿司を握ってきた大ベテランです。
斎藤さんによれば「80年代は箸の持ち方も知らない人が多かったが、どんどん良くなってきた。今では日本から魚が入るようになって、より日本に近いものができるようになった。」らしいです。勉強になりますね!
イクラの粕漬けや金目鯛に加えて、スカンジナビアの伝統料理「グラブラックス」を用いたおまかせは、江戸前でありながらアメリカ人も食べやすい人気メニューです。
Sushi Kashiba|加柴司郎さん
寿司の国際化を考えるうえで、加柴司郎さんは欠かせません。1960年代に渡米した加柴さんは、シアトル最初の江戸前寿司店「Shiro's Sushi」や「Sushi Kashiba」を含む5店舗をオープン。現在まで50年以上に渡って寿司文化を広めるほか、多くの職人を育ててきました。
注目したいのは加柴さんの経歴。アメリカに行く前は、なんと銀座の名店すきやばし次郎で見習いをしていたそうです。「(小野)二郎さんには寿司のすべてを教わった」という言葉には師匠への大きなリスペクトを感じます。
炙りや漬けのマグロ、シャコ、松茸、そしてシアトルで試行錯誤の末に作り出したゲイダック(貝)や〆ニシン。生きるレジェンドが握るおまかせは、アメリカの寿司文化そのものかもしれません。
さいごに
お読みいただきありがとうございました!
日本の伝統的な技術や豊かな食材。
まっすぐ仕事に向き合い、決して学ぶことをやめない職人気質。
創意工夫をし、母国と移住先の文化を融合させる手腕。
世界で活躍する寿司職人、皆さん本当にかっこいいですね。
今まで和食や寿司にかけられる情熱や手間を全然理解できていませんでしたが、Omakaseは「日本食」に関する認識を完全にアップデートしてくれました。
またコメント欄を見ると、世界中の人たちが心から感動してくれていることもわかります。
Omakaseは、アメリカのドキュメンタリーでありながら真摯に「食と料理人」を取材し、世界に向けて日本の食文化を発見・発信してくれる素晴らしいシリーズだと思います。
紹介されるのは高級店ばかりですが、いつかは食べに行きたいな…!
残念ながらこの記事に紹介しきれなかったエピソードもたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
それではまたー!
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