未来でまってて、もうちょっとだけ
ここだけの話をしたくなるのは、土曜日の魔法かな?
結婚していないという今に、意味をこめるとするなら、どんな意味をこめたいだろう。
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女の子どおしでお話するとき、いちばん盛りあがるのは恋のはなし。好きな人のことを話すときにはみんな笑顔だから、一緒にきゃっきゃしてしまう。
どちらかといえば、聞いているのが楽しい。というより、聞かれると困るんだ。
恋愛には憧れてはいるのに、それが自分のこととして考えてなかった。みんなが恋のはなしをするから、わたしもそうしないとって恋してた。とってもぼんやりしてた。
そのぼんやりは、そろそろ結婚とかのことを考えはじめる歳になっても続いていた。
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恋しないと!
そう意識しはじめたのは、いちばん仲のいい先輩が結婚してからだ。おめでとうってお祝いして、ふっと周りをみてみた。キラリとひかる薬指。地元の友人たちも結婚していたり、家族がふえていた。
あれ?あれ?
話している内容は、好きな人や彼氏の話から、旦那さんや子供のはなしになっていて。
洋服や旅行のはなしから、経済的で暮らすことへのはなしになっていった。
仕事しながら、遊びながら。毎日を楽しみながら、ときに悩みながら、みんなしっかり未来をみていた。未来を、これから歩む現実として。
すごいなって感じるとともに、置いてかないでって叫びたかった。
いつのまにか、みんながどこかへ行ってしまっていくことが寂しかった。
独身でいることが嫌というより、考えが幼い頃と変わらないままの自分が怖かった。
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“ 年ごろ ”になってからのぞいた恋の世界には、幼いときとは全くちがう言葉がとびかっていた。
好きだけじゃうまくいかないって言葉や、結婚するならこんな人がいいよっていうのとか。結婚につなげる恋を意識するんだなぁっと。
結婚からつづくことにだって、たくさんの選択肢があって。そのうち、自分の意志なのか、思い込みなのかもよく分からなくなってた。
何歳までにはっという言葉に慌てた。
心よりも身体のこととか…ね。
なかなか恋ができないことがしんどくて、幸せそうな恋人同士をみないようにしてたりもした。
もういっかなって諦めたことにして、キャリアを積もうとしたこともあった。
ポーカーフェイスだったけれど、そうとう慌てたんだろうな。アドバイスをもらうことも多かった。
結婚したとしても、安定と安心が約束されてないよとか。焦っても仕方ないよ。タイミングがあるから、大丈夫だよ。
長くつきあいのある友だちの言葉だから、きっとわたしはそのくらい落ち着いてなかった。今なら痛いほどわかる幸せを願うからこその友だちの心配も、焦っていた時には鋭いトゲのようだった。
命は助かるけど、もっと深いところまで突きささり、痛みはつづくのに抜けてくれなかった。
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そのトゲが抜けたのは、飽きっぽい性格がいい方向にはたらいたからだ。結婚を焦ることに飽きてしまい、いつしか焦ることをやめていた。
まぁ、いっか。でも、少しは考えないとねくらい。たまに、発作みたいに焦ることがあるのだけど。
ついこの前でてきた言葉が自分にとって、思いがけないものだった。
まだ、結婚してなくてよかった。
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まぁいっかってなってから、もう一度きいたこと。
恋人とのはなし、夫婦や家族のこと。
親しい人たちや日記として書いている人たちのおかげでこの想いがうまれた。
親しい人は、実はねって話をしてくれた。出会いのきっかけや結婚してからの生活のほんとはナイショにしたいこと。
日記なら、こんなことがありましたという出来事に、もう一歩踏みこんでくれた。
ゆっくりと考えが深まっていって、気づいた。
わたしの視野は、驚くほどちいさかったことに。
もしも、今より前に結婚していたとしても。独りという不安はないだろうけど、楽しめることが少なかっただろう。きっと、いつも唸ってた。
そのくらい、目からウロコがたくさん落ちていく。それは、涙のようでもある。
恋人でも、夫婦でも、親子でも、関係はつくりあげていくものなんだとわかった。
大好きな人だからこそ、
たくさん考えることもある。
大好きな人だからこそ、
悩んでしまうことがある。
そっかそっか。
わかってたつもりだったけど、全然わかってなかった。
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焦りも不安を感じることはあっても、怖くなくなった。結婚が目標というよりも、在りたい自分に方向性をかえたからかな。
結婚しても、独身でも、変わらないことなんだもの。だって、自分はいつでも自分だから。
そんな姿を想像できるようになった自分に優しくなれている。ウエディングドレスへの憧れも持ったまま、もっといまの自分を楽しめている。
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結婚していないという今に意味をこめるとするなら、どんな意味であったらと願うだろう。
どんな意味をこめてもいいのだけど。素敵な自分に繋がる意味をたくさん込めていきたい。
未来でまっててって言って、いまを楽しんでおきたいな。
いつも読んでくださり、ありがとうございます♡