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改めて自己紹介 ~母性看護学とは~

5月になりました。
毎日書くスタイルをやめ、週末に記事を書くことにしました。
毎日書くスタイルにしてた昨日までの記事は、読むのに長くとも1〜2分しかかかりませんので、気楽に愉しみたい方は過去記事をお読みください。

noteの使い方をよく知らないうちに勢いで始めてしまったので、改めて自己紹介します。

私は、都内の大学で教員をしています。
助産師の臨床経験があるため、大学では「母性看護学」という領域(大学によって「分野」「講座」と呼ぶ場合もあります)を担当しております。

https://youtu.be/4UYtlgPv8_A

これは、放送大学の科目紹介のYouTubeです。
どのようなことを学ぶのか、ギュッとコンパクトにまとめてあり、非常にわかりやすかったのでここに紹介します。

母性看護学では、女性のライフサイクル(思春期・成熟期・更年期・老年期)について学ぶとともに、成熟期のなかでも「妊娠・分娩・産褥・新生児期」に特化して深く学びます。
また、生殖医療などに伴う倫理的課題も含まれますし、児童虐待などの社会課題についても学習します。

私は学生たちに「社会の変化を鋭敏にキャッチし、看護を実践する」必要性を説明しています。

毎日どこかで、この母性看護学に関連するテーマの社会課題が取り上げられています。


例えば、私が個人のSNSで紹介した社会課題に関連する東京都公式HPの情報を記載します。以下は4月28日発表の報道資料です。


①「育児休業」の愛称を募集

「休業」と書いてあっても、休むための休みじゃ無いということで、イメージを変え、男性の取得を促すのが目的ですね。

私も男性の育児・介護に関する研究を行う者として、応募したいです。

この流れで書きますが、母性看護学の対象は「母性」だけではありません。確かに「妊娠・出産」について、(今のところは)身体的側面から可能な性別は女性と言うことになりますので、女性に関して学ぶ内容が多いのは否めませんが、私は母性看護学における看護の対象は女性だけでは無いと思っております。

それが故、男性を対象とした研究も行っているわけです。
この研究に取り組むようになった理由は、また改めてお話しします。


②女性従業員のキャリアアップ応援事業

M字カーブってご存知ですか?
女性は、結婚・育児などで退職することが多く、30代前半あたりで女性の就業率が下がります。

厚生労働省のサイトです。この中にPDFがあり、M字カーブのことが記載してあります。
女性が育児期に退職することを防ぐには、雇用者・管理職側の理解と、男性も育児や家事に参画すること、そして女性自身もキャリアアップのために仕事を継続してよいのだという意識改革も必要ですね。


③東京都立知的障害特別支援学校高等部職能開発科の設置について

知的障がいなど、障がいのある子どもの理解についても学んでおります。小児看護学という分野もあり、そちらで学ぶ内容も多くありますが、私が担当している学習範囲には、障がいのある子どもを出産すること・育てることの内容も含まれております。
母性看護学の講義で説明する内容は、妊娠中若しくは出産直後に判明した障がいの話になりますが、地域母子保健の現場にいる方々にお話を伺うと、知的障がいのお子さんを育てているご家族の支援も非常に重要であることがわかります。母性看護学は、子育て支援についても学ぶ科目ともいえるからです。
次世代育成に関する看護を学ぶため、「次世代育成看護学」と名付けている大学もありますよ。

「次世代育成」というキーワードが関連しているのは、この東京都看護協会のサイトからも伺えます。

プレファミリー講座や、妊産婦・親子向け新型コロナウイルス感染対策、出前講座など、母性看護学領域に関連するものばかりです。
プレファミリー講座は、以前は「母親学級」と呼ばれておりました。母親だけが参加するのではなく、父親、祖父母が参加する講座も開催されておりますよね。名称の変更は大きな意味を持ちますね。
出前講座では、小・中・高等学校に出向いて、「いのちの授業」などを行います。私の親しい助産師たちの中には、実際に学校に出向いて授業している方も少なくありません。


話を戻しますが、東京都公式HPから紹介した①~③の報道発表記事3つは、全て4月28日だけのものです。たった1日だけでも、母性看護学に関連する多くの情報が発信されているのです。保健医療に関する内容になると、もっとたくさんあります(高齢者に関する情報発信も多いので)。

少し前には、このような報道発表もありました。

④不妊治療・不育症治療と仕事の両立に取り組む企業を応援します

私は、不妊治療の現場にもおりました。
仕事との両立が大変で、仕事を辞めた方がいたのも事実です。上司や周囲の同僚にも事情を話しにくいこともその理由のひとつになっていたように思います。

治療と仕事の両立支援があることで、周囲の理解を得やすくなるのでは、と期待されます。

私たち看護系大学教員は、自分が行ってきた看護が全てであると思っていません。時代の変化により、看護も変化しているのです。そのため、最新の知識や技術を学ぶ機会を積極的に持つようにしています。

そこで私は、2021年度(昨年度)この講座を受講しました。
主催は日本助産師会です。

養成研修の中には、他職種の方と一緒にサポートプログラムを考える時間や、当事者のピアサポートの皆様との交流の時間も設けられており、私もここで新しい支援者との繋がりが出来ました。


以上、「母性看護学」の全てを語ってはおりませんが、「母性看護学」という領域・分野がどのような内容を含んでいるのか、が、なんとなくおわかり頂けたのではないかと思います。出産に関することだけではないのです。

看護系大学の「母性看護学」の教員は、ほぼ助産師が務めていると思います。助産師は、妊娠・分娩・産褥・新生児期に関するエキスパートだからです。さらに思春期や更年期といったホルモン動態の不安定な時期の女性へのケアのエキスパートでもあるからです。

しかし、母性看護学における看護の対象が女性だけではないことは、前述の通りです。

これから私が記載するnoteをお読みいただくにあたり、「母性看護学」とは何かを知っていただくと、取り扱う話題の範囲が広い理由が理解して頂けるかと思い、紹介しました。

今後ともよろしくお願いいたします。



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