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【読書記録】ブラックボックス:怒りのコントロール

どうも、一休誰絵です。これまで読書記録をつけていましたが、更新頻度が減ってしまいました。一度習慣をなくすと取り返すことが難しいこと。というわけで今回はライトに感想をつらつらと書いていきます。

今回読んだものはこちら。「ブラックボックス

第166回芥川賞受賞作ですね。
実は、私は単行本ではなく、家の中で眠っていた文藝春秋を購入して読みました。

衝動的な感情との闘い

読んだ第一印象は、「社会順応、コントロールできない自分の感情との葛藤」が悶々と描かれていたなと思いました。

主人公はコロナ禍で非正規雇用として働いていたのですが、あることをきっかけに、違う環境に追いやられることになります。(ここはネタバレになりかねるので、フワッといきます)

物語の中で、一貫していたのが「自分の衝動的な感情とのコントロール」。

衝動的な感情とは、”怒り”。
この感情によって、主人公の今後の人生が大きく左右されることに。

現実と向き合う怖さ

物語の中で、自分の置かれている状況との葛藤もあります。
これまで非正規雇用でも何とかやっていけたが、一人だけの人生ではなくなったとき、どうしても現実に向き合わなければなりませんでした。そんな最中に、大きなきっかけが待ち受けているのですが……


ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている
物語の終盤に、この言葉が出てきます。
向き合うべき現実から逃れたい思いが表れているのかもしれません。

個人的な感想

物語は淡々と展開されていきます。自分の”鬱”な部分との対話が中心なので、現代の文学を読んでいるようでした。
もし、私が日常生活を充実させていたのなら、あまり共感できない部分があったのかもしれません。ということは、私が置かれている立場だからこそわかった部分もあったり。
また、非正規雇用の現実も描かれていたので、私の知らない世界を見ることができたと思います。

かなりライトな感想です。お読みいただきありがとうございました。




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