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本を買うという贅沢


私の給与は毎月17万ほど。
まぁまぁあくせく働いているパートである。

夫は個人事業主の職人であるのでボーナスもなけりゃ、昇給も無い。自営業は扶養家族という考えが適用されない。
世の中がボーナスに湧く時期も
はぁ?何の話ですか?だ。
結婚して30年、夫から渡される生活費はずーっと同じだ。減ることはあっても増えることはない。
だから私がフルタイムで働かないと家計が回らない。

子育て中はそれはそれは苦しい生活だった。
なんせボーナスが無いのだ。
どうやってやりくりしていたのか自分に聞いてみたい。

そしてようやく…ようやく長かった子育ては今年度で終わる。ああ、本当に長かった。

今となってはフルタイムで働いていて良かったと思う。金銭的にもそうだが社会から取り残されない意味でも。

私は今まで好きな本を一冊買うのも吟味に吟味を重ね購入してきた。

来年からは子供への仕送りがなくなり、もう少し書籍にかけるお金を増やせるかもしれないと思うとワクワクするのだ。

この「本を買う」という行為は生活の質を爆上げするに値する。本棚に新しい本が並ぶときの高揚感は喜びの極みだ。1冊1冊が愛おしい。

ココはnoteだから基本、読み書きの好きな人の集まりだ。だからきっと本好きな方がほとんどで共感してもらえる人も多いと思う。

けれどこの「本を買う」という行為は私の周囲を見渡す限り、あまり一般的では無いのだ。

本屋(ネット含む)で読みたい本を探して買う人は何パーセントくらいいるのだろう。

本屋に入ると皆、本を探しているから世の中みんな本好きみたいな錯覚に陥るが実際はそうでは無い。

本屋に入る人は少数派で本屋に入らない人のほうが多いと思う。

自分の生活に「読書」という項目があって良かったなと思う。

小学生の頃は地元の図書館に行くのが楽しみで本の後ろに差し込まれている貸出カードに図書館のお姉さんにスタンプを押してもらうのが好きだった。

夏休みは特別に一度に5冊まで借りてよくて小学生の私の遊びのひとつは「図書館に本を借りに行く」ことだった。

友達と遊ぶのが苦痛だった私が唯一できる一人遊び、それが図書館通いだった。

図書館に行くのは友達を誘わなくてもいいし、友達と遊ばなくても母に何も言われない気楽な時間だった。

小学生コーナーを読み尽くしてしまった私は少し難しい太い本にも手を出して図書館のお姉さんにびっくりされた。

…そんな記憶。

なんせ、自分の好きそうな本を探すのは楽しい以外の何者でもない。

本もかなり断捨離したのだが、一部を残しつつ、増えないように本棚のキャパを決めている。

本の値段も微妙に上がっている。
月に3冊くらいはハードカバーの新刊に手を出しても大丈夫な生活が私の思う贅沢な生活だ。

そういう小さなゆとりが日々を豊かにする。

ううっ…新刊…高い…高いよ…。
でも本は作者さんの血であり肉である。
己を削って生み出されたものには相当の対価を払わなければならない。
当たり前のことだ。


私のボーナス出たから少しだけ本を買うって決めてる。



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