アベサイユのばら#16:「桜を見る会中止」機先制した与党 くすぶる有権者買収疑惑

安倍首相が、来年度からの「桜を見る会」を中止すると宣言したとき

「あ~やられた!」と思いました。

案の定、アベシン界隈からは

「野党とマスコミが我が国の伝統的行事の一つを潰した」

「安倍さんを貶めるのに必死で野党やマスコミは大局を見ていない」

「鳩山(民主党政権)のときにもやっていたのにそれにダンマリなのはどうしてなのか」

といった今や定型文と化した野党・マスコミ叩きが繰り広げられました。

安倍政権は中止を宣言することで、このイベントの抱える本質的な問題から目を背けさせることができたのです。

野党やマスコミが問題視しているのは「桜を見る会」そのものではなく

私たちの払っている税金を使って行われる公的行事にあたるのに、自党や安倍首相自らの支持者を「この国の功労者」に含めてタダ同然で飲み食いをさせていたことです。(2019年予算1700万円に対し、支出は5500万円)

しかも、「この国の功労者」がいったい誰なのかについては「個人情報なのでお見せすることができない」といって公開しない姿勢を見せています。

公開しなくてもいいのであれば、なんでもやり放題です。

そこをつまびらかにすることが、国民の知る権利に対する最低限のアカウンタビリティー。

しかし、安倍首相は「桜を見る会」に招待した名簿をすべて公開されるのは政治生命を終わらせるに等しいのです。

なぜなら、政治活動全般のルールブックである公職選挙法では、自らの選挙区内の有権者の買収を禁じられているからです。

これに引っかかっていると、辞任どころでは済まず手が後ろに回る恐れがあります。

では、公選法違反に引っかかっている可能性はあるのかというと、

かなり濃厚です。

それを裏付けるものとして、「桜を見る会」参加を含めたパックツアーの案内は安倍首相の地元選挙区にある「あべ晋三事務所」から差し出されているのです。


そのツアー代金が全額自己負担なら買収にあたりません。

ただ、1円でも「あべ晋三事務所」からお金が出ていればアウトです。

安倍首相は、きょう「桜を見る会のツアーは参加者の全額自己負担だ」

と釈明したそうですが、ツアーにかかった代金が全額自己負担かどうかは

はっきりとは分かっていませんから、これからも野党やマスコミの厳しい追及は続きそう。

安倍首相としては、来年の東京オリンピック直後に解散行い「花道解散」とでも行きたかったところでしょうが、このままでは「木枯らし解散」となりそうです。

もはや公的な国民行事は園遊会だけでいいような気がします‥‥。


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