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#13 THE・どんでん返し『方舟』(著:夕木春央)を読んだ感想【ネタバレなし】

夕木春央さんの『方舟』

2023年(第20回)本屋大賞ノミネート作品
で、SNSや動画サイトなどでも話題になっている作品です。

※ネタバレはしないように感想をまとめました


あらすじ

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

講談社BOOK倶楽部より

感想

  • まさに「THE・どんでん返し」


クローズドサークルの本作。
それだけでも緊張感がありますが、さらに助かるためには誰か1人が犠牲にならなければならない、その1人を選ぶ必要がある。
この設定により、さらに緊張感が増しました。

物語が進む中でも「えっ?」という展開があり、どういった展開になっても驚かないようあらゆる可能性を想定。

それでも外れました。
(そんな簡単に当たったら話題にはなりませんよね(笑))

終盤の終盤。
思わず目が点になりました。

言えるのは、

  • 綺麗すぎるほどのどんでん返し、凄い!

  • 評判の通り衝撃だった

  • ただ賛否は分かれそう?

  • タイトルの本当の意味が分かり、怖さすら感じる

といった感じでしょうか。

あとは、僕はなぜか悲しさや悔しさもなぜか感じています。
(読んだ方で同じようになった方いますかね?)


また、本作では「命の価値」について考えさせられました。

家族や恋人がいる人は価値が高いのか?
逆にいない人は価値が低いのか?
人の命って平等にあるものなのか?

誰か1人が犠牲になる状況になったとき、僕はどのような判断をするだろうかを読みながら考えていました。

結局は誰かが犠牲になる以上、100%完璧な選択はないと思います。
それを考えると思わず胸が痛くなりました。

印象的なフレーズ

「愛する誰かを残して死ぬ人と、誰にも愛されないで死ぬ人と、どっちが不幸かは、他人が決めていいことじゃないよね」

『方舟』

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