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意欲は欲の一種

この前Noteにも書きましたが、最近フルタイムの社内通訳になりました。
通訳経験が浅い中での大きなチャレンジです。
そして子どもは小学校に入学したばかりです。

キャリアでも子育てでもほぼ同時に大きな転換点を迎え、日々とまどいながら何とか生き延びています。

仕事はと言うと、想定はしていたものの、今の自分には非常に難しい内容が多く、力不足を日々感じながら働いています。
所属先では、同時通訳は1時間以内の会議であれば一人で対応します。
多い日で4本くらい会議が入るので、4時間はしゃべりっぱなし、ということになります。

それぞれの会議では違うトピックが話され、技術的な専門的な知識が要されることも多々あります。そのため、残った時間は必死で準備をしています。
それに加え、終業後や土日は通訳の勉強会などに参加を続けていました。

子どもには知的障害を伴う自閉症があり、今年の4月に支援学校に入学しました。
慣れない場所へのバス通学や生活リズムの変化などで、子どもも少し不安定になり、前よりももっと親に甘える場面が増えました。
仕事中に帰宅した子どもの相手をすることも多々あります(通訳中に子どもがヒザに乗っている、ということもありました・・・)。

そんな日々が数ヶ月続いたある日、朝起きようとした瞬間に経験したことのない凄まじいめまいに襲われました。

ぶわーっと世界が回っている感じで、めまいが治まるまで動くことも出来ませんでした。

しばらく通院して服薬を続け、なんとかめまいは治ったものの、これが定期的に来たら仕事を続けることすら難しくなってしまうのでは、と恐怖を覚えるようになりました。実際、めまいの症状によっては聴力に影響することもあるようです。

それ以来、焦る気持ちを抑えて休養を第一にとるようにしています

これまではもっと勉強しなければ、通訳の技術を伸ばさなければ、という思いで時間さえあれば勉強をしていましたが、今はなるべく終業後や土日はゆっくり休養に充てるようにしています。

ただ、休んでいる場合ではないのに・・・もっとやらなければ・・・という気持ちと常に戦っています。

大学職員を辞めてから翻訳・通訳を始めたここ数年間、「もっとやらなければ」という強迫観念に近い思いに駆り立てられ、公私ともに走り続けてきました。
思えば、ほとんど休んだ記憶がありません。

意欲をもって必死に努力したからこそ、未経験から今の仕事にたどり着くことができたのだろうと思います。
しかし、「意欲」はあくまで欲の一種であり、執念に近い気持ちだとも思います。高すぎる意欲に自分の体がむしばまれ、食い尽くされてしまうこともあるのではないでしょうか。

めまいの件があってから、SNSなど周りの情報からはなるべく遠ざかるようにしています。

がんばっている人たちの姿を見ると非常に勇気づけられ、私もがんばろう、という気持ちになります。
一方で自分の至らなさにも気づかされ、もっともっとやらなければ・・・という焦燥感も駆り立てられるのです。

そのため、Twitterのアカウントを思い切って削除しました。また、Facebookなどはいろいろと連絡で使うこともあり、どうしても削除ができなかったので、アプリを一番見ないエリアに移動したりして、必要以上に見ないよう心がけています。

この行動が100%正しいとは思っていません。
しかし今の自分には必要なことだと思っています。
もっと自分に余裕ができたら、少しずつまた勉強会などにも参加していきたいなと思っています。

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