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複業でバーを開業する方法 -行政手続き編-

こんばんは。湯島でバーを経営しています、さりーです。

わたしは本業でITコンサルタントとして会社に所属しながら、複業で2020年9月にバーをオープンし、時短要請に従ったり休業したりしながら営業を続けています。

ここ半年くらい、私と同じように複業でバーやスナックをやってみたいという方にお店を場所貸しする機会が多数ありました。コロナの状況下において飲食一本で生計をたてるのはハイリスクなため、本業をもちつつ週末だけバーや喫茶店を経営する。そういった複業飲食店経営が今後ますます増加すると予想しています。

そこでこの記事ではバーを開業する方法について、手続き面からご説明します。
※個人事業主として東京都に申請したケースですので、法人/他地域の場合内容が異なる恐れがあります。

バーを開業するにあたり必要な行政手続き(2021/5時点)

東京都文京区でバーを開業した際の行政手続き一覧です。警察署の手続きは深夜酒類〜を取得しました(深夜営業と風俗営業いずれかしか取得できない)。
★の項目は行政書士さんに依頼しました。依頼にかかる費用は20万円程度でしたのでご参考までに。

・保健所
 - 飲食店営業許可等の取得★
・消防署
 - 防火対象物使用開始届の提出★
 - 防火管理者の選出
 - 消防計画の提出
・警察署
 - 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出(必要に応じて)★
 - 風俗営業許可飲食店開業手続き(必要に応じて)
・食品衛生協会
 - 食品衛生責任者の選出
・東京都
 - 感染防止徹底宣言ステッカーの取得
 - コロナ対策リーダーの選出

保健所

開業する店舗のスタイルにあわせた営業許可を取得する必要があります。飲食店の場合基本的に飲食店営業許可を取得しますし、喫茶店の場合は喫茶店営業許可を取得することもあります。食品製造販売が主体の場合は食品の種類に応じた営業許可もあります。

私の場合は飲食店営業許可を取得しています。その際に必要なもの。
・申請料金(自治体によるが2万円弱)
・申請書の作成
・店舗の平面図・設備配置図
・(貯水槽や井戸水を利用する場合)水質検査成績書
・食品衛生責任者の資格証明証(申請時に資格を取得できていなくても、受講申込書等でも可)

申請後、保健所が店舗の立入検査を実施し問題がなければ営業許可証が発行されます。検査の日程にもよりますが。申請から2週間程度で営業可能になります。

立入検査では店舗が飲食店に適しているかを確認されます。例えばですが
・シンクの幅は十分か、給湯器から温水が出るか
・厨房とお手洗いに十分な大きさの手洗いが設置されているか
・調理場と客席が明確に分けられているか

などなど色々な基準が設けられています。

消防署

店舗が飲食店であるかどうかに関わらず、広さや収容人数に応じて防火対象物使用開始届を管轄の消防署に提出します。営業を開始する7日前までには取得している必要があります。建物の構造や面積、用途などを記入した申請書を提出するのみで、無料の手続きです。

こちらの他に、防火管理者を選出します。複数店舗を経営する場合は店舗ごとに異なる防火管理者を選出する必要があります。
防火管理者になるには消防署の研修を受講する必要があり、店舗の面積に応じて甲/乙種どちらの防火管理資格が必要かが定められています。
私の受講した乙種は丸一日の研修(6,500円)で取得できました。

この研修が曲者で、申し込むには消防署に直接行かないといけない上に、1~2ヶ月に1回平日開催で、直近の日程は満席だったりします。会社員にはなかなか厳しい研修です。。

防火管理者が選定されたら、店舗の消防計画を作成し管轄の消防署に提出します。フォーマットに従いながら自店舗の内容に書き換えていく作業です。

警察署

飲食店営業許可を取得したのち、以下2種類の店舗は警察署への届出が必要です。

お酒がメイン、かつ深夜0時以降も営業するお店
 =深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出(略して深酒-フカザケ-)

キヤバレー、待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる社交飲食店やパチンコ店、麻雀店、ゲームセンターなど
 =風俗営業許可飲食店開業手続き

これらはどちらか一つしか取得できません。つまり風俗営業を取得すると、深夜0時から午前6時までは営業ができないのです。
接待を伴うお店については別のnoteで詳しく記載しています。

店舗によってはこれらの許可が取れないところもありますので、不動産契約時に確認することをオススメします。

私のお店は深酒を取得しており、その際は以下が必要となりました。手続き費用は無料です。
・深酒の届出書
・飲食店営業許可証
・店舗図面および営業内容概要
・飲食店営業許可証申請者の住民票
・賃貸借契約書のコピー
・メニュー案
署ごとに求められる書類は異なるようですので、地域に応じてご確認ください。

食品衛生協会

店舗ごとに食品衛生責任者を選出します。防火管理者と同じく、複数店舗を経営する場合は店舗ごとに異なる食品衛生責任者を選出する必要があります。
飲食店営業許可を申請するまでに責任者を選定し、少なくとも研修を申し込み、申し込み控えを受け取っておく必要があります。

食品衛生責任者になるには丸一日(受講料10,000円)の研修を受講する必要があります。研修日程は豊富なんですが、向こう2~3ヶ月は満席なので結構先の日程で申し込む必要があり、会社員にとってはハードモードです。

資格を取得できたら、資格取得者の本名および食品衛生責任者番号を記載した食品衛生責任者プレートを作成し、お客さんから見えるところに掲載します。

東京都

コロナ以前であれば上記の手続きで完了ですが、現在は東京が管理する感染防止徹底宣言ステッカー/コロナ対策リーダーの手続きをした方が良いです。これが無いと時短協力金を受け取れません。

感染防止徹底ステッカーは街中でよく見る虹マークのやつです。こちらは飲食店営業許可取得前でも申し込めるので、開業が決まったら即申し込んだ方がいいです。
こちらの取得後に店舗ごとにコロナ対策リーダーを選出し、e-learningを受講することでコロナ対策リーダー選出店としての虹マークステッカーが新たに発行されます。

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このステッカーを店舗に掲載することで時短要請への協力金に申し込むことが可能となります。協力金の受領には他にも要件が複数ありますのが、ここでは省略します。

以上が飲食店開業における行政手続きでした。今後飲食店を開業される方はぜひ参考にしてください。不明点やご相談あればコメント等でお気軽にご連絡ください。
コロナ禍の厳しい状況ですが、飲食業界を盛り上げていきましょう!


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