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Turner(View from the apartment)1.3


中間の、青
外気の透明度程の。いや、少し濃かったかも知れない。いや、濃いよりも薄かったかも知れない、手垢のついた曇ったグラス程に。

あの古い船は 揺れていた、確か、少し動いた様。
矢は外れ、
青色の貝に当たる。偶々。流れの中で。
厳寒の海に黒い目の労働者が放ったのだ。グラスの水が氷と共に揺れる。

空に薄くへばり付く雲は、光りを斜めから受け、
微かに揺れている。何年も、薄く濃く、夜にでも。
それは美しい音色を共にする。シャッターの音がヤーと鳴る。電子ノイズ。これ程に目や耳が誠実だとは、知らなかった。そしてまた明確さは消えていく。

帰る足取りの先は開けている。誰かのだ。
何処にも誰か踏み出した跡がないのだ、確かに。 今も夕暮れが進む。

闇の中から光りがちらつく。

瞳孔から発し、身体全体を纏い、辺りにのまれる。光り、一体。 戸惑いの光りに君が揺れる。

半分は夜に。空が濃くなったからだ。手垢のグラスも、窓越しの中間の青より濃く染みていく。
君に答えが無い代わり、君は君。何処にも消えはしない。また受け取り、行くだけだ。何処へも消えない。野うさぎが振り返り、後を追う。

「耳」2013.12.25
加筆 2021.1.3
再加筆2021.1.27

今日はゆっくりと雪が深々と降っていました。暗くなりましたが未だ降り続いているかのようにカーテンを閉ざした部屋も静かです。暖房の音が一定に温風を出し続け、正月だからなのか、時間が安定して休んでいるかのよう。昔、ブログに書いた詩に加筆、訂正したものを添えてみた。特に書くことも思い当たらない状態でしたので。
今年もよろしくお願いいたします。

作家活動としての写真撮影や個展、展示の為のプリント費用等に充てさせて頂きます。サポート支援の程よろしくお願いいたします。