「影のないボクと灰色の猫」02-A12 第十二章 私
この物語は、Twitterで自然発生的に生まれたリレー小説です。
aya(ふえふき)さんと一緒に、マガジンにまとめています。
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前回のお話(第十一章)
第十二章 私
自転車は横倒しになった。
「痛ったあい!」
私の体は、ある程度、受け身を取ってくれたらしい。それでも、ひっくり返った自転車から、どうにか起き上がった時には、体のあちこちが痛んだ。
自転車を起こそうとして、目の前に、猫が居るのに気がついた。
灰色の小さな猫。こちらを驚いたように眺めている。
「ごめん、もうちょっとで、轢いちゃうところだったね」
猫はこちらを見詰めたまま、動かない。
「驚いた? 驚いたよね。ごめんね」
そっと近づく。猫は逃げなかった。
「いい子だね。撫でてもいい?」
声を掛けて、毛並みに触れた。
瞬間、空間が歪んだ。
Twitterリレー小説「影のないボクと灰色の猫」
02-A12 第十二章 私
書き手:清水はこべ(note、nana)
★続きはこちら(第十三章)
お目に掛かれて嬉しいです。またご縁がありますように。