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記憶の中の物語、記憶のような物語

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随想、或いは、私小説と呼ぶのが一番近いかもしれません。 でも出来れば、物語と呼びたい。
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#祈り

信じられないままでいてくれてありがとう

「はこ、これあげる。最近、はこが明るくなって、嬉しいの」  学級委員の夢ちゃんから手渡さ…

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歌と祈り――そうじゅもりおさんと、ティル・ナ・ノーグの事

 歌姫は、杖を突きながら、ゆっくりとステージに立った。  長いスカートのワンピースで、華…

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流星群へ宛てた手紙

 元気ですか?  今、どんな景色を見ていますか?  そこからは、私が見えるかな。どんな風…

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ゴブガリータで乾杯しましょう

 友人が結婚した。嬉しくてたまらない。  久しぶりに、友人達と食事をする機会を持つ事にな…

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夢をあきらめない

 高校三年生の時のクラスは、ひとことで言うと熱かった。  私は人から「熱い人ですね」と、…

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友情にとても近い気持ち

「はこべちゃん? はこべちゃんなの?」  最後にお会いした時、私は小学生の終わり頃だった…

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川が流れていくように

「あなた達は、神様に選ばれて、この学校へやって来たのです」  高校の入学式での先生の言葉。第一志望を落ちて、仕方なく入学したすべての同級生が「いったい何を言っているのか」と思ったに違いない。  もちろん私も思った。  ---★---  第一志望は少し高望みだったのは、自分でも分かっていた。  進路を決める際の模擬テストで、かなりいい点数を取ったのも、自分ではまぐれだと知っていた。でも、周囲の大人は、そうは思わなかったようだ。  自分の実力より、偏差値の高い高校を勧

「漢」という誉め言葉

「清水さんは、『おとこ』ですね。それも、『漢字の漢』と書いて『おとこ』と読ませる、あれで…

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街灯りと珈琲とチョコレート

「電車止まってます! 設備の故障だそうです。私は歩いて帰ります。清水さんもお気をつけて!…

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呼び名の無かった友達

 彼女の事は、名字に「さん」付けでしか、呼んだ事がない。  だいぶ親しくなってからは、呼…

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