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「レジ袋メイワク物語」#1 大人の自由研究

 レジ袋が有料化されましたね。コンビニ通いの方や家族の食事を気遣うお母さん方も、お財布から細々と出費を強いられてさぞご立腹なのでは?有料化を納得されている皆さんも、CO2の削減に役立つと言われて渋々受けとめてますよね。なにか釈然としない人も多いのではないでしょうか?この機にわざわざエコバッグを手にいれた方も多いことでしょう。

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ご多分に漏れず、私もエコバッグを手に入れました。セブンイレブンのエコバッグ「HANDKERCHIFE ECOBAG」便利に使ってます。

価 格:580 円(税込638 円)|サイズ:約45×35cm|耐荷重:約4.0kg
特 長:・エコバッグとして使える袋状ハンカチ。
・ハンカチの端の内側に持ち手のテープ付き、レジ袋として巾着状に使える

お値段から、116回使うと元がとれます ^^;
「缶ビール×2本、ポテチ大袋×2袋」で、袋いっぱいな容量です。

さて、全国民に身近なレジ袋の有料化とサステナブルを考えてみました。
レジ袋が有料化された理由
をご存知ですか?

●「CO2排出量の削減が大切」だから?
●「プラスチックごみの海洋流出が問題だ」から?
●「マイクロプラスチックが問題」だから。
●「蛤の中にマイクロプラスチックがある!」
などなど。

なにが本当の理由なのでしょうか?
今回は、素朴な疑問「レジ袋有料化」を「夏休みの自由研究」っぽく調査しました。(ちょっと長くなってしまいました。恐縮です)


CO2削減と日本のプラスチック処分の状況


日本のCO2発生量と世界各国の発生量の割合をご存知ですか?
全世界の国々の中で、CO2排出量ワースト1の国家はどこでしょうか?

不名誉なワーストNo.1が中国(26.9%)No.2がアメリカ(16.6%)です。
この両国を合わせると、世界の排出量の43.5%にもなります。ほぼ全体の4割以上です。では、日本は?というと、排出量は5番目で「3.7%」を排出しています。(2011年実績)世界全体の100%のうち僅か3.7%が日本由来です。

手始めにプラゴミ廃棄量の現状を見てみましょう。
日本国内の廃プラの発生と処理は、どのように推移したでしょうか。

廃プラごみ、日本の廃棄総量は、
● 2004年が「1013万t/有効利用率57%」で、この年が過去最大でした。
● 2010年に「945万t/有効利用率77%」へと改善しました。
● 2018年は「891万t/有効利用率84%」とさらに改善しています。

「有効利用率」は、回収ごみの処理方法によって大きく5つに分かれます。

1. マテリアルリサイクル/素材再利用(建材・土木資材などへ)
2. ケミカルリサイクル/大型炉などの焼成燃料
3. サーマルリサイクル/燃料活用
4. 純焼却/ごみ焼却「関連:エコセメント」
5. 埋設/処分場埋立
6. 未利用

2018年実績は、処分総量890万tの内、

1. マテリアルリサイクル 200万t(23%)
2. ケミカルリサイクル  39万t(4.4%)
3. サーマルリサイクル  502万t(56.5%)
4. 純焼却        73万t(8.3%)
5. 埋設         68万t(7.7%)
6. 未利用        142万t(16%)

産業利用の焼却分も含めた有効利用率は84%になります。その内訳「2・3・4」を合わせた「69.2%/616万t」の割合が燃焼処置ですが、ごみ処分の成果としては結構優秀です。(※端数を丸めてます)奥さま方の分別リサイクルのご苦労は、立派に成果へ結びついています。

これらの廃プラゴミを加熱・焼却するとCO2が発生します。焼却処分のCO2発生量が気がかりですが、その点は後ほど考察するとしましょう。


外国と日本の「CO2排出量」を見てみましょう


2017年のCO2排出量は、

●  ワースト1の、中国が28.2%/92億t、
ワースト2の、アメリカは14.5%/47億t、

追ってインド・ロシアと続き、5位の日本は「3.4%/11億t」となっています。ワースト1の中国はまだまだ右肩あがりの青天井、ワースト2のアメリカは2007年が最大で減少に転じています。(下グラフ参照)

中国

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(グラフ毎に軸目盛りが異なる点に留意、中国の排出量が桁違いに多い。)

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日本国内は、プラゴミの量が最大だった2004年からCO2削減に努め、2004年対比で14年後に12%減量しています。下図BP出典のグラフのように、日本の排出量は世界のCO2総排出量の3.4%の割合(11億t)です。

日本

日本の減少具合は2012から純減しており「プラごみ処理」と「CO2排出削減」が地道に改善されています。では、次に「マイクロプラスチック」について見てみましょう。


マイクロプラスチックの原因


海洋に流出する「不法投棄プラごみ」(2010年実績)の投棄量のワーストNo.1も中国(353万t)で、アメリカは(11万t)No.20です。ちなみに、日本は「6万t」で30位(2010年)です。

二ヶ国のその後は2015年でも中国が「882万t」に増えてワースト1位アメリカは「28万t」とワースト20位、両国共に投棄数は倍に激増しています。

海洋投棄ゴミはマイクロプラスチックの原因です。

マイクロプラスチックは、河や海に流れでた樹脂製品が、紫外線や塩に曝され波の流れに揉まれることで劣化して細かく砕だけた物です。マイクロプラスチックを減らすには、海へ投棄するゴミをなくさないといけません。投棄量の多い国すべてが海洋投棄ゴミを減らさなければ問題を改善できません。

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特に流出量の大きい中国東南アジアの見直しなしには解消しません。我が国の廃プラごみの海洋流出量は、世界の30番目(6万t)でワースト1の中国と比較して2%以下です。

日本は、海洋流出ゴミもCO2排出量も、世界的なインパクトは大きくありません。「マイクロプラスチック」や「CO2削減」は、日本の努力だけでは、
地球規模の大きな成果に結びつきにくいことが判ります。

日本海洋流出ゴミ量「3.4%/6万t」と、CO2排出量「3.7%/11億t」の比率を考え合わせると、地球全体に割り振れば、今まで通りに分別廃棄のゴミ処理を継続すれば問題なく思えてきます。

後述しますが、PETボトルに代表される飲料類の樹脂ボトルは、企業の努力によりリサイクル率が改善されました。また、一部特定のリサイクルに不向きなボトル類や家庭ゴミなどの焼却灰は、技術開発によってセメント材に再利用できるようなりました…


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自由研究/模造紙1P目は以上です。 ➡︎「レジ袋メイワク物語」2Pに続く。


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