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知る・学ぶ 「ナチュラルワイン」 Vol.1

昨秋、ナチュラルワインのインポーターのディオニー(株)主催の
『ナチュラルワイン講座』を受講、無事修了式を迎えました。
今までのナチュラルワインに対する偏見を少しでも正せたら・・
そんな思いで参加した講義の振り返りです。


最近気になる「ナチュラル・ワイン」

大阪の福島も天満も・・巷では、とにかくナチュラルワインを扱う飲食店が今なお増殖中。「うちのワインは全てナチュラルです」という店も多くなりつつある今日この頃。いろいろ飲んでみてはいるものの、正直、宝石混合・・いずれもフレッシュ感はあるもののなかなか”好みのワイン”に当たらない。果たして、"ナチュラルワイン"ってなんだろう?
このところ、ぼんやり頭から離れなかった。

多様性の時代に、多様な楽しみ方ができるナチュラルワイン

インポーター”ディオニー(株)”

そんな時にディオニーさんの講座情報を目にして、インポーター側の視点から今勢いを増す"ナチュラルワイン"を捉えてみよう思いつく。
ディオニーさんは、厳選したこだわりワインを直輸入しているインポーターで、大阪在住者からすると、京都の会社というのもグッと親近感が湧く。
HPを見てみるとワインの輸入以外にも、国内で無農薬栽培米や契約栽培米を使用した「自然な作りにこだわった日本酒や、安心して食べられるものということで素材を厳選した自社開発食品を作ったり、色々な形で私たちの体にいいものを提案してくれている会社だとわかる。

"ナチュラルワイン"講座のゴール

今回一緒に受講するのは14人。(うち1人は京都教室の方で日程が合わず、今回のみ大阪で受講)。私と某関西情報系雑誌編集長を除けば、ソムリエ(ソムリエール)、飲食店経営者やスタッフ、料理人など業界の方々が多いイメージ。それだけやはり”ナチュラルワイン”の注目度が高いのだと感じる。
今回のディオニーさんの講座では4回にわたり”ナチュラルワイン”の魅力を
畑、栽培、醸造、作り手の個性、哲学・・など、様々な視点から理解しナチュラルワインを考える力を身につけるということだ。

そもそも"ナチュラルワイン"とは?

ワイン用の葡萄は、想像以上につまみ食いしてみると美味しい。

ワインに興味を持つと、よく聞く『テロワール』という言葉を耳にする。ワインが、他のお酒と大きく違うのは、ワインの原料がブドウだけたということだ。たとえば日本酒は原料のお米に水、ビールは小麦やホップに水と原材料が複数の要素がある。これに比べ、純粋に葡萄という農作物から産み出されるワインは、その土地の土壌や気候に大きく味が左右される。
ディオニーさんは"ナチュラルワイン"を捉えるにあたり、その『テロワール』を、葡萄が育った気候風土に加えてワインが作られた環境、そして葡萄を育てワインを造る人たちの個性や考え方などを含めて、大きく『自然』を映し出すワインを”ナチュラルワイン”と考えているとのこと。
そういえば、少し前まで『自然派ワイン』という呼称をよく耳にしたが、最近はほとんど聞かなくなった。黎明期だった頃はインポーターも意識的に使っていたようだが、現地情報が濃くなり、つくり手のこだわりを理解すればするほど、曖昧な表現の”自然派”ではなく”ナチュラルワイン”という呼び方で定着しているようだ。

それぞれの分類と認証制度

ナチュラルワイン”を分類するには色々な考え方があるようだが、広くオーガニック(有機農法/ビオロジック)と規定された農法で作られる中に自然農法やバイオダイナミックス(ビオディナミ)などがある。そしてそこに酸化防止剤無添加のフィルターをかけ、全てが重なるところがディオニーさんが考える”ナチュラルワイン”となるとのこと。

ちなみにフランスでは”ナチュラルワイン”は正確にはVins Naturels (ヴァン・ナチュレル)と呼ばれ、Vin Nature(ヴァン・ナチュール)は”一切の添加がない=無添加)ことを指すとのこと。

ここで私たちが気をつけなければならないのは「オーガニック」はあくまでも農法としての1つで化学肥料や農薬の使用制限を守って育った葡萄は認証を得ていても、その先の醸造の段階で添加物が加えられるものも”ナチュラルワイン”として市場に出回っていることが散見されることです。
例えば、酸化防止剤の使用もそれぞれ許容範囲が設定されていて『BIO』認定のワインなら100mg - 150 mg / ℓ 、『Demeter』認定でも70mg - 90 mg / ℓ 入れてもOKという具合です。
そこで、こだわりの生産者たちの中では独自にヴァン・ナチュレル保護組合やヴァン・ナチュレル協会を作って差別化を図っているとのこと。
ちなみにディオニーさんは世界に15人しかいない”一切亜硫酸添加のないワイン作り”を目指す”Vins S .A.I .N.S"(通称"サン”)に認定を受けているオーストリア作り手のワインも輸入している。これは一度、是非飲んでみたい。

1回目の講座のテースティング

待ってましたーっ! 1回目はブラインド・テイスティングでした。

座学が終わると、いよいよお待ちかねのテースティング。1回目は意図的にブラインド・テースティングでした。これは産地や品種を当てるのではなく先入観を持たずに、まず自由に”ナチュラルワイン”を楽しむ!という意図。
今までの古典派ワインだと、一番緊張する時間。産地、ブドウ品種などルールを探して当てはめて正解を探していく感じが多かった印象ですが・・
ナチュラルワイン”は、それぞれが、「好き?」「嫌い?」や、感じたこと、ニュアンスなどを自分たちの言葉で伝える。これがまた心地いい雰囲気です。これなら自由に発言もできる。なんといっても正解がないのが”ナチュラルワイン”の醍醐味。自分らしくていいんです!
色々な意味で、20枚は目から鱗が落ちた感じのディオニーさんのナチュラルワイン講座。すでに2回目が楽しみです!!


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