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ジブリ映画と祖母たち

ジブリ映画を観るたび、私は2人の祖母のことを思い出す。

きっかけになる1作目は、『火垂るの墓』。

ちょうど、父方の祖母と主人公のセイタが同世代で、舞台になっている場所も祖母がかつて暮らしていた辺りだ。
登場人物たちが話す方言が、とても懐かしい。
ちょうど祖母が話していた、古い時代の関西弁。

ちなみに、谷崎潤一郎の『細雪』を読んでも、同じ理由で父方の祖母を思い出す。

父方の祖母は元々箱入り娘だったけど、末の叔父を妊娠中に祖父を亡くした苦労人のシングルマザー。ついでに共働きの私の両親に代わり、私のこともほぼ育ててくれた。
まだ赤ちゃんだった息子の顔を見せに行ったのが、たぶん最後にできた孝行だった。
おっとりしていて、上品なものが好きなひとだった。

2作目は、『となりのトトロ』。

大家のおばあちゃんの口調と声が、今度は母方の祖母にとても似ている。
方言は厳密には違うと思うけれど、おばあちゃんの登場シーンで私はいつも泣いてしまう。悲しいシーンなんかじゃないのに。

母方の祖母は東北の海沿いの集落のひと。奉公先で女工として青春を謳歌してたのを連れ戻され、無理矢理祖父の元に嫁がされた。我慢強いひとだった。
私は一度も叱られたことがないくらい、怒った顔を思い出せない。
結婚の挨拶に行く予定の飛行機が悪天候で飛ばなくて会いに行けず、その数週間後に急逝してしまった。
派手なものが好きで、少し天然で、いつもニコニコしてるひとだった。


大好きな祖母たちだった。
会えなくなって久しい今でもまだ、1人で思い出しては会いたくて会いたくて泣いてしまうくらいに、大好きだった。

実家の母が、いつも良くしてくれる叔母が、最近少しずつその祖母たちの面影に似てきている。
帰省のたび、顔を見るたびに、密かにドキッとしている。

いつかは私にもその順番がくるかもしれないとも思う。
それはそれで良いかもしれない。

そして、私のこともそうやって、いつか誰かが思い出してくれば良いな。


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