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染島式、プロットの作り方(後編)

今回はこちらの動画のテキスト版になります。

こんにちは、小説執筆歴16年の染島です。

前回から始まりましたプロットの作り方の後編です。前編をまだ見てないよ、という方は、まずそちらをご覧ください。

一応、前回までのおさらいをしますと、まずプロットとは何か、何故プロットが必要かという話がありました。次にプロットに書くべき内容として、①テーマとコンセプト、②世界観について解説しました。今回はその続きで③登場人物、④用語集、⑤あらすじまでを解説します。

③登場人物

言うまでもなく、登場人物がいなければ物語は動きませんので、しっかり設定を組んでいく必要があります。設定する上で必要な基本的な項目は、以下の4つです。

外見

小説は絵で人物を表現できません。だからこそ、文字だけで表現できるよう具体的に設定しておく必要があります。外見で考えておく必要がある項目としては、

・身長/体重
・服装
・髪型
・肌の色
・体格

こんなところでしょうか。後は適宜必要なものを考えて追加していくといいと思います。

年齢

年齢は、特に学園もので大事になってくる要素です。学校だと、1つの歳の差で先輩後輩の上下関係が変わってきます。だから、キャラクター同士の相関図にも大きく影響が出てくるので学園もので年齢設定を考える際には注意が必要です。

それ以外のジャンルならば年齢はざっくりでいいと思います。ただ初心者の場合、主人公や主要キャラクターは自分の歳と離れすぎないほうが書きやすいかもしれません。

一人称

一人称は地味ですが、重要です。どんな一人称にするかで、キャラクターのイメージがかなり違ってくるので。

例えば、一人称を「僕」にします。でも、これをひらがなで「ぼく」としたり、カタカナで「ボク」にするだけで、キャラの雰囲気が変わってきます。

あと、最初に一人称は固定しておかないと、作者自身もうっかり忘れて混同してしまうことがあります。特に、途中で出番がなくなって再登場するキャラなんかは要注意。プロットの時点で固定させないとマジで忘れます。

性格、思想

要するに、ここは登場人物達の内面における根幹部分となるわけですが、ここで一番重要なのは、登場人物達の目的です。つまり要点を絞ると、

・登場人物が目指すものは何か
・達成するために取る行動

以上の2つをはっきりさせておくことが大事です。例えば、わかりやすくワンピースの主人公ルフィを例にすると、

・登場人物が目指すもの=海賊王
・達成するために取る行動=仲間を集めてグランドラインを制覇する

となるわけです。何となくイメージできましたか?
この2つの要点を軸にして、キャラクターの性格を肉付けしていきましょう。

と、ここまでが登場人物を設定する基本項目になりますが、もしバトルものを描きたい場合、もう1つ大事な要素があります。

武器と戦闘スタイル

やはり、バトルに欠かせないのが武器です。合わせて、その武器を使ってどのように戦うか、という戦闘スタイルが大事になってきます。

わかりやすい例で言うと、Fateシリーズは武器と戦い方でキャラクターの個性を表す好例でしょう。
それぞれの英霊ごとに与えられたクラスによって武器が変わり、戦闘スタイルも変わる。セイバーなら剣で正面から斬りかかり、アーチャーなら飛び道具を駆使する。キャスターなら魔術で幻惑し、バーサーカーなら力を暴走させて破壊の限りを尽くす。
バトルを学びたいなら、一度Fateシリーズに触れてみることをオススメします。

④用語集

4つ目の項目は用語集です。
これもファンタジーやSFなら必要です。先程の武器や戦闘スタイルの話ともつながりますが、武器の名前や技名などもここでまとめておくと後々自分で見返す時などにわかりやすいかと思います。

書き方としては思いついた順に書くのではなく、五十音順にするとか、技名なら登場人物ごとにするとか、自分が見やすいようにある程度整理して記録するようにしましょう。

⑤あらすじ

さあ、いよいよあらすじです。あらすじは長編ならばパートごとに分けて書くのが一般的ですが、その分け方としてよくあるのが「起承転結」です。言葉自体は初心者の人でも聞いたことがあるかもしれません。ではこの「起承転結」が何を指すかというと、

起:物語の始まり。プロローグ。
承:本編スタート。
転:物語の転換点。大きく展開が変わる
結:クライマックス。物語の結末。

だいたい、このような感じになります。これが基本の形です。
また、「起承転結」では上手く話が収まらない場合、最後にエピローグの「終」を加えた「起承転結終」という五段階の分け方もあれば、逆にもっとコンパクトにした「序破急」という分類もあります。しっくりくるパターンで作ってみてください。これらの流れに沿ってあらすじを作れば、よほどのことがない限りストーリーが破綻することはないはずです。

ちなみに、あらすじの段階で整った文章を書く必要はありません。文章で繋げて書くのが難しい、という場合は、箇条書きでも大丈夫です。

さて、ここまででプロットに必要な5つのパートを解説最後しましたが、最後におまけです。

おまけ:テーマソング、イメージソングを考える

これは個人的な趣味の話ですので、あってもなくても大丈夫です。「自分の作品にこのバンドで主題歌をつけてほしい」というただの妄想ですが、これは自分にとってモチベーションを高めるのに一役買っていると思います。
ちなみに、自分の作品の中には好きなバンドの楽曲から着想を得て書いた小説もあります。テーマソングまでは設定しなくても、音楽は創作する上でいい刺激になります。

また、音楽じゃなくても、プロットの中に自分の好きな要素を入れると作業も楽しくなると思います。例えば、登場人物の外見設定で見た目を好きな芸能人に寄せてみるとか、武器に好きな銃を取り入れてみるとか。そんな楽しみ方もアリだと思います。

・まとめ

長丁場でしたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
もう一度、ここでプロットに必要なものをおさらいします。

プロットに必要なもの
①テーマ、コンセプト
②世界観
③登場人物
④用語集
⑤あらすじ

以上この5要点さえ押さえられれば、あとはプロットに何を書くのも自由です。僕がプロットに音楽を盛り込むように、プロットの段階から自分が好きなもの、楽しいものを盛り込んでいけば楽しくプロットを書けるし、物語も楽しいものになると思います。
是非、小説を書くときにはまずプロットから挑戦してみてください!
お疲れ様でした!

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