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CourseraのGoogle Advanced Data Analyticsを修了しての所感


はじめに

こんにちは。2023年末、Courseraから提供されているデータ分析の総合講座『Google Advanced Data Analytics』の全プログラムを修了することができました。

今回、このプログラムを受講してみて、実務でのデータ分析を進める上での教科書として非常に良い内容だと感じたので、解説していきたいと思います。

本記事で話さないこと

プログラムで学ぶことの詳細に関わる情報には基本的に触れません。本記事をご覧いただき興味を持っていただけましたら、ぜひCourseraから本プログラムを受講してみてください。
また、これから述べることは全て私個人の肌感によるものですのでくれぐれも一意見としてご参考にしてくださいmm

基本情報

まずはじめに、『Google Advanced Data Analytics』がどのようなプログラムなのかについてCourseraに記載の情報をもとにその概要を説明します。

  • 構成:6つのモジュール + Capstoneプロジェクト
    以下の全7プログラムを受講し、それぞれ規定のテストに合格することで修了となります。
    1. Foundations of Data Science
    2. Get Started with Python
    3. Go Beyond the Numbers: Translate Data into Insights
    4. The Power of Statistics
    5. Regression Analysis: Simplify Complex Data Relationships
    6. The Nuts and Bolts of Machine Learning
    7. Google Advanced Data Analytics Capstone

    各プログラムのコンテンツの構成は基本的に類似しており、
    1. 動画による概要説明
    2. ドキュメントによる詳細説明
    3. ハンズオンのワーク
    4. 確認テスト
    の流れでプログラムが進みます。

  • 評価:4.8 (1,983 reviews)
    総合的なデータサイエンスの講座としてはトップクラスの評価を得ています。

  • レベル:Advanced *Recommended experience
    後ほど受講した肌感をもとに詳述します。(「プログラムの特徴」参照)

  • 修了目安:6ヶ月(1週間につき10時間のワークを目安とする)
    自分のペースでスケジュールをコントロールして進めることができますが、英語での受講であることを差し引いても肌感としては上記目安より時間がかかる印象です。
    *私の場合は1ヶ月で1モジュールを修了するサイクルを目安とし、計7ヶ月(2023年6月〜2023年12月)かけて進めました。

  • その他:
    全プログラムを修了すると、特定大学のオンラインプログラムにおける単位として振替えることができるそうです。お得ですね。

プログラムの特徴

ハンズオンのワークが充実している

各プログラム・各チャプターのポイントごとにハンズオンのワークが設定されており、動画やドキュメントで学習した内容を実際に手を動かして確認することができます。ハンズオンの内容も多岐にわたっており、統計分析・基本的な機械学習を用いた分析の実装について流れを掴めるものから、その前後にあたる要件整理・分析・結果の整理など実務で対応すべきあらゆる場面に対して有効な内容を提供してくれています。

出力された分析結果に基づいて思考し、ビジネス上の課題解決につなげることを重視している

上記のハンズオンワークでは、各操作に対して「その操作が必要な理由やその操作を通じて分かること、次にどんな操作が有効と考えられるか」などを言語化して整理することが求められます。これらに取り組むことで、統計分析・機械学習から導き出されるアウトプットをどのようにビジネスのアウトプットに変換するかといったデータ分析を適用する上での実践的な思考はもちろんのこと、実際のプロジェクトにおけるストーリーテリングのスキルを総合的に磨くことができるように感じました。

統計・基礎的な機械学習の知識は事前に持っておく必要がある

要件定義〜結果のレポーティングまでデータ分析プロジェクトの全てを幅広くカバーしているため、1つ1つのモジュールは非常に濃密な構成になっています。基本情報にて整理した通り、データ分析プロジェクトにおける一定程度の知見を持っている状態で受講を進めた方がスムーズだと感じました。また、モジュール4〜6あたりは特に基本的な統計・機械学習における知識を前提として構成されているため、統計であれば統計検定2級程度の知識、機械学習は教師なし/あり学習や評価指標などについては理解した上で受講することをおすすめします。

プログラムにおける実務で特に役立つポイント

先述した内容と重複しますが、個人的に特に役立つと感じたのは

  • データ分析プロジェクトの流れとそれぞれのステップで何をするべきか体系的に整理できる

  • データ分析を使って実務でバリューを出す力が鍛えられる

ことです。前者はモジュール1で重点的に解説され、その後どのモジュールのタスクにおいても意識して進めることになっています。データ分析プロジェクトの実務経験が多くない人にとっては見えにくいプロジェクトの全体像を俯瞰して見ることを促すため、とても有意義な内容であると感じました。
後者においては先ほども解説した通りですが、データ分析でビジネス上の問題を解決することを前提とした思考が促されるため、実践的だと感じました。

最後に:Google Advanced Data Analyticsはこんな人におすすめ!

最後に、ここまで解説してきたことをもとに、Google Advanced Data Analyticsがどんな人におすすめなのかを考察していきたいと思います。

スキル

スキル要件は最低限に以下になってきそうな感じです

  • 統計検定2級程度、および基本的な機械学習のことを理解している

  • 基本的なプログラミング(pythonでなくても良さそう)の書き方を理解している

経験

「データ分析プロジェクトを実務で経験し始めた、1~2回経験した」という感じのジュニア〜ミドルくらいから受講できそうな印象を受けました。

ロール

近年、データ分析職の類型化が進み、担う業務や役割によって微妙に職種(名前?)が異なり、採用なども細分化してきているかと思います。TJO式スキル要件では、それぞれ以下の通り定義されています。

データサイエンティスト:「アナリスト」の延長
・統計分析で「意思決定を支援する(場合によっては自ら意思決定する)」のがメイン
・必要に応じて機械学習で「自動化の推進」も進める
・オールラウンダー的な立ち位置のため、必要に応じてデータ基盤・データ活用体制の構築も担う

機械学習エンジニア:「ソフトウェアエンジニア」の延長
・基本的には機械学習を各種システムに組み入れて開発するのが仕事で、機械学習とソフトウェア開発双方のスキルが必要
・日進月歩を超えるスピードで進歩する領域であるため、必要に応じて研究活動も行うことが多い

データアーキテクト:「DBエンジニア」の延長
・データ利活用業務のために、データ基盤・データ活用体制を構築&整備する
・データ基盤のオーナーシップを持つことが多く、付随する業務として分析向けデータ抽出やダッシュボード構築なども請け負う

データサイエンティスト(及び他のデータ関連職)のスキル要件(2022年版)

上記の定義に基づくと、Google Advanced Data Analyticsはデータサイエンティスト(アナリストの延長として、統計分析等で意思決定を支援する)のロールに適したプログラムといえます。
したがって、類似するロールでデータ関連職としてのキャリアを積んでいきたい方は特に受講してみると良いでしょう。

いかがでしたでしょうか。
ぜひ気になった方は冒頭のリンクから覗いてみていただければと思います。
ではまた!

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