50代オッサン気まぐれ旅⑥
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だからあれだけ言ったのに。なんでこんなことになってんの!
と独りごちても、すでに後の祭り。思い返せばあの時…
へー、氣比神宮。恥ずかしながら初めて聞く名前。敦賀市民の皆さん、ごめんなさい。神様が好きとか言っておきながら、不勉強なワタクシ。
なになに、敦賀駅からバスで5分。老体に鞭打たなくても大丈夫そう。
今日は歩き続けたおかげですでに足が棒のよう。それでも謎の使命感と共に、氣比神宮を目指す。僕がいかねば誰がいく。いや僕以外におるまい。遥かイスカンダルを目指す宇宙戦艦ヤマトもかくや。
敦賀市のバスは先払い。最初に「ぺっ」てタッチするだけであとは降りるだけ。
しかしバスのシステムってほんとに自治体ごとにさまざまでおもしろい。運賃市内一律のところもあれば、いまだに電子マネー使えず距離に応じた運賃のところもある。今後、人口減少に備えるためにも交通インフラのあり方って、考えていかなければならないところですよね。なにを最上位の目的として、バスの運賃を決めていくか…
「次は、氣比神宮ー、氣比神宮ー」
はいはい。おりますー。ぴんぽぉぉぉん。
…神宮というからにはそれなりに荘厳な佇まいを想像してたのですが。
してたのですが。
もちろん大きさはそれなりにあるのですが。
街中の一区画を切り取ってそのまま神宮にしました、的な感の否めない神宮。Googleマップで見ると、本当に街中にポツンとある感じ。
とはいえ氣比神宮。威風堂々とした鳥居は「俺が氣比神宮だが何か?」と言わんばかりの威容。一歩踏み込んだ瞬間、嗚呼そこは聖域。
ここは衣食住の神様がお住まいなんですね。神宮らしく、本坪鈴はありません。嗚呼この佇まいは、どこかで見たことがある。そう、それはまさしく伊勢神宮そのもの。
お賽銭を捧げ、二礼二拍手。
いつも健康で幸せに過ごさせていただき、ありがとうございます。こうしてここに来れたことに心から感謝申し上げます。家族みんな健康でいられることにも感謝感謝です。
一礼を捧げ、社をあとにする。
規模の大小に関係なく、神宮は神宮でありました。祈りを捧げ、心の澱を洗い流し、長命水をいただき、末社にいらした縁結びの神様に良きご縁を感謝し、バス停に向かったものの
あれ、バスがない…次のバス…え゛、30分後?
だからあれだけ言ったのに!帰りのバスの時間も確認しろって!
老体に鞭打ち、泣き泣き駅までの道のりを歩く。石山寺、彦根城でほぼほぼ力を使い果たし、もはや気力だけで歩く。さながら砂漠でオアシスを求めて彷徨い歩く迷子のよう。
ふと上を見てみると、商店街の歩道に屋根がついていることに気づく。商店街前の歩道の前には一面駐車スペースがある。歩道には等間隔でスピーカーがついており、おそらく商工会かどこかが音楽を流している。松本零士さんの作品の銅像がこれまた等間隔に置いてあり、道ゆく観光客の目を楽しませてくれている。
むむ、やるな敦賀市。さすが新幹線が開通しただけのことはある。
氣比神宮から歩かなかったら、気づかなかったことばかり。これぞ旅の醍醐味というもの。嗚呼、30分間来なかったバスさん、ありがとう。
果たして銀河鉄道999の車掌さんと記念撮影を済ませ、敦賀を後にしたわけです。
ありがとう敦賀。また来るよ。
そして次なる目的地は…
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