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オーケストラのソーシャルディスタンス

日常にクラシックの彩りが蘇ってきました。
それは、静かな喜びと、新しい発見に溢れています。



先週末から、所属しているアマチュアオーケストラの練習が再開しました。


30分に1度の換気、座椅子のアルコール消毒など、いくつもの決まりごとが整い、3ヶ月以上振りの始動です。



プログラムは、予定されていたベートーヴェンづくしのボリュームある内容から、弦楽器と管楽器のアンサンブルをメインに変更されています。
曲目が増えた代わりに、大勢が密になる時間と、練習参加の回数が減りました。


初回の曲目は、全体合奏でモーツアルトの交響曲40番、弦楽合奏でパッヘルベルのカノンです。
練習は、思いの外、粛々と進んでいきました。
日常が戻る喜びというのは、静かなものなのですね。



再開後の最大の変化は、弦楽器の譜面台です。
オーケストラでは、通常、弦楽器の譜面台は、2人で1台を使用します。
1つの楽譜を2人で共有しているんです。

それが、この度、ソーシャルディスタンス確保のため、1人1台となりました。


これが、とっても快適!



何と言っても、パーソナルスペースが保たれて、隣の人とのあれこれを気にせずに済みます。
更に、遠くの楽器の音を聞く余裕もできて、理解が深まりやすかったです。



私にとって、楽譜を2人で共有するのは、なかなかにストレスフルな面もありました。

それは、道に迷って、地図を2人で見て「ここどこ?」「これであってるの?」という時の、イライラを押し殺して冷静に話している心境に似ています。

心のシャッターを開けたり閉めたり、実は大忙しだったんです。




長い歴史の中で定着した、弦楽器の譜面台を2人で1台で共有するスタイル。

その理由は、思い当たるだけでも3つあります。

①片方が楽譜をめくり、もう片方が弾き続けることで、音楽が途切れないようにするため

②隣同士で音程やリズムなど細かい部分を聞き合うことで、アンサンブル力を高めるため

③舞台上のスペースに収まるようにするため


実際は、もっともっとあるかもしれません。


この形態は、今後どうなっていくのでしょうか。

1人1台は超快適ですが、会場と曲目に大きな制限ができます。

アマチュアは工夫次第で何とでもなりますが、プロの方の現場はそうもいきません。
オペラやバレエの劇場のオーケストラピットには、とても収まりきりませんし…


興味がある分野での、頭の中の独り言は尽きないですね。


まだまだ見通しの立たないことが多い中、街中の音楽は、少しずつ復活しています。

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