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「仕組み」は「無理のないこと」が一番

突然の告白ですが、4月20日から現在まで「朝6時45分にラジオ体操をする」ということを続けています。新型コロナウイルスの影響で、主人と二人で外出を自粛することが多くなり、運動不足を心配してのことでした。特に主人は、脳梗塞の後遺症で右半身に障がいが残っています。そのリハビリのためにも毎日動いたほうが良いのですが、リハビリに通っていたプールも閉鎖されています。また、主人は毎日決まった時間に出かける場所がないと、生活が不規則になり、朝寝坊が頻繁に起こってしまいます。そんなことを何とか解決したいと思って始めたことでした。

6時45分にラジオ体操を行い、7時に朝食、というリズムを付けることが目的です。

初日、4月20日、6時45分ギリギリまでベッドの中にいる主人の耳元でラジオ体操の音楽を流しました。そうすると、主人はベッドから飛び起きて、ラジオ体操をしていました。
2日目、4月21日、予定時間の10分前に起きてきました。洋服にも着替えており、顔を洗って準備万端。時間通りにラジオ体操ができました。
3日目、4月22日、天気が良い日はベランダでラジオ体操をしようと主人から提案があり、外で実施しました。
4日目、4月23日、主人のリハビリ通院の日、朝から忙しくラジオ体操はしていません。
5日目、4月24日、いつもの時間に少し遅れましたが、ベランダでラジオ体操を行いました。

こんな感じを繰り返しながら、ラジオ体操は今でも続けられています。ただこれは「毎日」ではありません。「日曜日はお休み」です。そして、時間が6時45分に間に合わなかったとしても、ちょっと遅い時間からスタートをしてもOKとなっています。最初は私が「ラジオ体操をするよ!」と声をかけてやっていましたが、今では主人のほうから「ラジオ体操するよ!」と私に声がかかります。主人なりに楽しみを見つけて続けてくれています。

これ、「無理をしない、させない」ということが大きな効果だったと思っています。主人も私もお互いに「無理をしない」から続けています。もしこれが「一日も欠かさず毎日、必ず6時45分でなければダメ!」ということであればすでに4日目にして終わっていますし、一度気持ちが折れて終わってしまえば、もう続ける気力も沸いてきません。

さて、本題です。

みなさんの職場ではいかがですか?

新入社員に対して、若手社員に対して、誰に対しても、さまざまな仕組があると思います。それ、無理が生じていませんか?

例えば、新入社員に対して、「毎月実施される新入社員研修の振り返りを1000文字以上のレポートとして手書きで提出させます」ということを実施している場合。提出する新入社員にとっても、毎月レポートを提出することは大変なことですが、それを取りまとめて読む人事や部署の先輩も大変です。新入社員が一人や二人であれば対応ができますが、10名を超えると、全員分を読んで、コメントを入れるというのはかなり無理があります。これでは続きません。「学びはアウトプットして初めて定着する、しかも自分で手書きしたほうがいい」なんて言いながらこの仕組みを作ったことは良いことですが、お互いが疲弊します。

仕事ですから少々「無理」をさせることも大切です。「もうだめだ」と思った時、それでも頑張る先に「成長」があります。会社では、お給料をもらいながら学びます、ということは少々の無理をしながらでも成果を出す必要はあります。それは大前提のうえです。しかし、今回私がお伝えしたいことは「無理が出る仕組みは最初から作らない」ということです。そもそも「仕組み」というのは無理で大変なものを「スムーズなもの」にするためのものです。だから仕組み化してまで無理をしてはいけないのです。

さきほどの新入社員研修の振り返りの件、みなさまだったらどうしますか?

「学びはアウトプットして初めて定着する、しかも自分で手書きしたほうがいい」ということを大事にするならば、
・手書きでレポートを提出させる時期を毎月から2か月や3か月に一度に変えてる
・新入社員をいくつかのグループに分け、提出させる時期をずらす
・毎月は400字程度の提出にし、節目の時期に1000文字以上の提出にする

というようなことができるかもしれません。一回に提出されるレポートの枚数が減ることでレポートを読む人事や先輩の負担を減らすこともできます。また新入社員お互いがレポートを読み合って、感想やコメントを入れるということもできます。これは、人事の負担も減りますし、新入社員の同期どうしが何を学び、何を考えているのかを知ることもできるメリットもあります。

仕組みを作る上で大切なポイントは「無理をしない」です。何か新しい仕組みを作った時に「これは無理なく続けられるか」ということを考えることが大きなポイントとなります。そして誰に対しても無理のない設計になっていることが大切です。

管理職研修や企業の全体研修では、上記のような「仕組づくり」をテーマに研修をすることもあります。大分県内であれば、指定の場所に伺いますし、オンライン研修であれば全国問わず研修を担当させていただきます。職場づくり、人材育成、仕組みづくりなどに関する研修でお手伝いできることがあれば、お気軽にご相談下さい。


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