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魔女の森のおひめさま10 #物語

おひめさまは、海を目指した。
暖かい朝日に浴びた海の波は、なぜか悲しみがないような気がした。

ひととき自分の身に起こる不幸をやり過ごすには、要素分割がいいとおひめさまは感じた。

頭をなじられる痛みは音として、朝の海の流れと共鳴すると不思議な安心感になる。

自分の臀部に向けられる爪後の冷たさは、甘い朝の海の美しい波の雫に。

そして呪いの言葉たちは、恥ずかしがり屋のシャイな男の子が、発する粗暴な愛の言葉のように感じる事で事実をなくす事はできなくとも、響はうんと甘いものになる。

おひめさまは、朝の海に救いを見出した。

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