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まるで夢のようだ。

↑ 十勝学園でボクシングセッションをする様子。左から “入れ墨ボクサー”とも“泣き虫ボクサー”とも呼ばれている『川嵜タツキ』さん。
真ん中 元ライト級日本チャンピオン ボクシング界のレジェンド 『坂本博之』さん。
右端 スマイルリング代表理事 『堀田豊稔』 “堀ちゃん”  

    3人合わせて『団子三兄弟』😆🍡✨


こんにちは😃私は北海道十勝から、児童養護施設や少年院出身の青年をサポートするNPO法人スマイルリングで活動しています。彼ら青年たちとの日々のあれこれを、毎日更新しています😁✨

 

 スマイルリングには、元プロボクサーの名誉理事が2人いる。

 元日本チャンピオンの坂本博之さんと、“元祖入れ墨ボクサー”の川嵜タツキさんだ。

 お2人とも、それぞれが壮絶な子ども時代、青年時代を経て、その人生、生き様は、数々のドキュメンタリー番組になったり、書籍になったり、ボクシングの世界のみならず、『人として』の魅力で、今も根強いファンから熱い支持を受けている。

 ボクシング界のヒーローだ🥊✨✨✨

 そんなお二人を『アニキ』と慕うのが、私達の代表 堀ちゃん。彼も、とても簡単には説明しきれ無い人生を歩んだ。


 堀ちゃんの人生を救ったのは、この2人の『アニキたち』との出会いだった。坂本さん、竜希さんとの出会いが無ければ、スマイルリングも誕生しなかったのだ。

 その物語もすっごく素敵で面白いのだが、今回はさておきます…😅


 スマイルリングでは、全国の児童養護施設や少年院で、『ボクシングセッション』という活動をしている。

 坂本さんや竜希さん、そして私達大人が持つミットに、子供達や青年達がグローブをつけて、思いっきりパンチをする。

 『嬉しかった事、悲しかった事、悔しかった事…』を拳に込めて、何度も何度もパンチを打つのだ。

(この頃はコロナ禍で残念ながら開催出来ないのだが…💦)


 いつも電話をくれる少年院出身の青年が、在院中のこんな思い出を話してくれた。


 ある日彼は、川嵜タツキさんの半生が書かれた『はぐれ者〜悪魔と戦ったボクサー、川嵜タツキの半生』という本を読んだ。

 この本は、日本中の少年院でボロボロになるまで青年達に読み継がれている、バイブルみたいな本らしい。

 心の底から感動した彼は、毎日毎日、日記に『川嵜タツキ』と名前を書きまくっていたらしい。

 『川嵜の、“嵜”っていう難しい漢字、あるじゃないですか!あの字もすぐに書けるようになって。リングネームはカタカナだけど、本名は“竜希”って書くんだって知った時も、何回も何回も毎日書いてたんです!』

 『辛いことがある度に、“川嵜タツキさんのように乗り越えてみせる!”って、書いてたんです!』


 そんなある日、なんとその川嵜竜希さん本人が、彼のいる少年院に、ボクシングセッションに来る事になったのだ!!

      『夢みたいだ〜!!』

 嬉しくて嬉しくて、指折り数えてその日を待ったのだそうだ。


 しかし、当日あまりにテンションが上がり、少々調子に乗り過ぎた彼は、先生と喧嘩してしまい、なんと、懲罰房に入れられてしまった。

 (もうお終いだ。俺はもう、川嵜タツキさんに会えないんだ…。)

 独居房で、体育座りの膝に顔を埋め、絶望感に打ちひしがれていると、

 ガチャガチャ…。

 鉄の扉が開く音がした。そして院長が、

『今日は反省文で勘弁してやるから、出ても(ボクシングセッションに)いいぞ』

 と言ってくれたのだ。彼がどんなに川嵜タツキさんに憧れていたか、多分知っていたのではないかという事だった。


『目の前に、本物の川嵜タツキさんが居るんですよ!!僕、身体がずっと震えてました!!』

 電話の向こうで、その時の嬉しさを思い出し、彼は泣いている。


 “本当に不思議だね。その君が今、坂本さんのボクシングジムに通って、竜希さんから『頑張れ』って応援してもらってるんだもんね…。”と私が言うと、彼は『はい!!本当に不思議です!!自分は本当に幸せです!!』と泣きながら言った。

 

 彼は本当に辛い幼少期、子ども時代を経て、少年院にまで入ってしまった。

 でもそこで、心から尊敬出来る、少なくとも“3人”の人に出会った。

 坂本博之さん、川嵜竜希さん、そして堀ちゃん。

 

 『ジムに行ったら、大きな声が聞こえてきたんです!僕、声を聞いてすぐに、“川嵜タツキさんだ”って分かりました!』

 『思わず“川嵜タツキさんだ!!”って言っちゃったんです!!』

 『そうしたら僕のところへ来て、“頑張ってるなぁ〜!!”って言って、ハグしてくれたんです!!』

 『坂本会長も、もう何回か数え切れないぐらいに僕のことをいつもハグしてくれます!あんな凄い人達が、僕のことを抱きしめてくれたんです…!!』

 『全部、僕を救ってここまで連れてきてくれたトヨさん(堀ちゃんのこと)のおかげです!!トヨさんに出会えなかったら、僕はどうなっていたか…!!』


 …オイオイと、嬉し泣きしながら話す彼の声を聞きながら、それぞれに壮絶な青春時代を歩んできた、偉大な“団子三兄弟🍡”のことを思った。

 人生にムダなことなんか、絶対に無いんだよね。


今日も読んでくれてありがとうございます😊
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき😁✨

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