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BUCK-TICKの思い出

「えっ」と仕事中のデスクで声が出てしまった。
BUCK-TICKの櫻井敦司さんが亡くなったニュースが目に入った。まだ57歳。還暦近い年齢になっていたことも驚きだけど、人のことは言えないよね。私にとってはお兄さんバンドなのもあってライブを見に行ったことはないけれど、私には忘れられない思い出がある。

BUCK-TICKの音楽センター公演に向かう大群に出くわしたこと。

90年代初頭の小学生か中学生だった頃のこと。高崎駅近くの塾に行く前におやつを買おうと歩いていたら、駅から若い大人のお兄さんお姉さんがゾロゾロゾロゾロと出てきていた。今でいうコミケの列みたいな感じで、大量の人が同じ方向に歩いてく。平時の高崎駅ではない感じがしてワクワクしたな。

しかも、そのお兄さんとお姉さんたちは全員、黒多めの服で完全にキメこんで、悪魔のようなメイクをしていた。ように、子供の私には見えた。今でいうと、コスプレの一団みたいな雰囲気。当時、ビジュアルロックなんて言葉はあったかな?髪の毛を立てたロックバンドはBOOWYを含めて歌まで知っていたけど、あの光景を見てビジュアルロックの人だって思わなかった気がする。

行列の中で髪を限界まで立てた人がかなりいたから、BUCK-TICKかなと思った。BUCK-TICKの方がBOOWYより髪を立てていたイメージがある。なんだか気になって、厚底シューズを履いてるのか、とても背が高い人たちの会話を聞きたくなった。

うん、やっぱりBUCK-TICKのライブがあるらしい。地元なので皆さん気合いが入ってるらしい。

高島屋と今では正確な位置がわからなくなった元ダイエーの角を左に曲がり、行列は音楽センターまで続いていた。音楽センターでバンドや歌手のコンサートやライブをすることは知っていたけど、本来は群馬交響楽団のホーム。この人たちがそんな会場に満員で収まる様子を妄想してドキドキした。

ゾロゾロゾロゾロ、私はあの光景を忘れられない。すごいーと思った。

そして近年も、櫻井さんをテレビで見た時は驚いた。ビジュアルに劣化がない。なんで?というか、あんなにイケメンで妖艶で強烈な人が畑イメージ(失礼)の藤岡で高校生をしていたなんて卒倒したと思う。

私は「JUPITER」と「月世界」が好き。狂気っぽい曲がたくさんある気がするけれど、この2曲みたいに目の前に絵巻が広がるような美しい曲も作るところがすごい。このバンドはどこからインスピレーションを受けているんだろう。あの顔でこの曲であの声だもん。再び卒倒。

さっきニュースで昨年のライブの映像が流れてて、また倒れそうになった。声、衰えていないんだ。鍛えてたのかな。体も締まってる。熱狂的ファンではないのに、惜しいと思う。これから歳を取るたびにどんどん幅が広がって、素敵だったりおもしろかったりする姿を見せてくれそうだと思う方だった。

白衣観音 慈悲の御手

櫻井さんたちの生まれた藤岡ではないけれど、高崎駅から見える観音様です。

そういえば、上毛かるたには藤岡の札がないなと思ったら、和算の大家 関孝和が藤岡の武士の家でした。

素敵な音楽をありがとうございました。

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